下道を走って、道の駅でSOULを聴く

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 10月10日~11日に開かれた「名古屋キャンピングカーフェア2015」の取材に行くのに、東名を使わず、“下道” を走ってみた。
 といっても、富士川SAの手前あたりで降りて、名古屋まで1号線を走っただけである。
 距離として約200kmぐらい。
 「高速道路代を節約する」という意味も多少あったが、リタイアして時間の余裕を持ったキャンピングカーユーザーが、「高速を使わず、下道を走る」という言葉をよく使うので、果たしてどんなものなのか、という好奇心もあった。

 自分もキャンピングカーを使う長旅をずいぶん経験しているが、基本的に仕事絡みが多いので、時間短縮を優先し、「下道」というものをほとんど使ったことがない。
 で、今回は余裕のある日程を組んで、静岡から愛知までの国道1号を走ってみた。

 印象。
 気分は、東名を走るのとほとんど変わらなかった。
 国道1号は日本の代表的な産業用幹線道路なので、やはり「物流」を意識した作りになっている。
 つまり、景観が「観光」用に整備されていない。
 「機能的」というか、「事務的」というか。
 バイパスが整備されている区間は信号もなく、交通の流れも速いから、便利は便利であるのだけれど、その分、景色も高速道路と似たようなものになっているわけだ。

 困ったのは、休憩を取る場所がなかなか現れないこと。
 街中に入れば、広い駐車場を用意したコンビニ、ファミレスのたぐいが現われるのだけれど、信号のないバイパス区間は “一休みしたい” と思っても車を止める場所が出てこないのだ。

 もちろん道の駅のようなものは、ときどき現われる。
 しかし、観光地の一般道路と違って、観光を意識していない幹線道路には道の駅が少ない( … と私には思える)。いったん見逃すと、その次が高速道路のSA・PAのように、すぐには登場しない。
 あらためて、高速のSA・PAというのは、やはりドライバーの休憩したくなる距離をちゃんと計算して建設されているんだなぁ … ということを実感する。

 ただ、高速よりも、町の雰囲気というものは多少分かる。
 建設中の「水素ステーション」などというのも出てきて、新しい交通環境が整備され始めている状況などをこの目で見ると、けっこう勉強になる。

 また、地方では、今や道の駅以上に、コンビニがドライバーの休憩スポットとして機能しているということも分かった。

 繁華街のコンビニとは違って、幹線道路沿いのコンビニの駐車場はトラックが何台も止まれるくらい広い。トイレ休憩などに立ち寄ったついでに、ドリンクを買い、おやつを買い、時に弁当など買って車内で食事することも可能だ。
 今の日本の一般道では、道の駅と並んで、コンビニがドライバーの重要な “オアシス” になりつつあるようだ。 

 もちろん、これまでも、ドライブ中に地方のコンビニをよく利用していたが、今回のように一般道を100~200kmと走ってみると、沿道に建設されたコンビニが実に便利なものであるということが、ほんとうによく理解できた。
 
 
 陽が落ちて、ようやく岡崎市の「藤川宿」という道の駅に入る。
 駐車場の端っこを選んで車を止め、敷地内にある24時間営業の「ミニストップ」でツマミとウィスキーを調達し、一人宴会の準備をする。
 
 テレビもDVDプレイヤーもない車内。
 音楽だけあれば十分なのだ。
 マカカリの酢漬け、冷奴セット、キスチョコなどつまみながら、マグカップに氷を落としてウィスキーをロックで飲む。チェイサーは伊藤園の「濃茶」。

 ちあきなおみや沢田研二の昭和歌謡シリーズでスタートし、もっとディープな村田英雄、殿さまキングスあたりまで深掘り。
 一転して、コルトレーンと初期マイルス・ディビスに移行。
 そのあたりになると、だんだんいい気持ちになってくる。
 となると、その先は、自分の好みの70年代ソウル・ミュージックになる。

 フィリー系、スタックス系、モータウン系。
 どれを聞いても、ハイテンションになってしまう。
 割り箸でテーブルを叩いて、リズムを取りながら、知っているフレーズをつぶやく。

▼ 70年代ソウルのメロディーの美しさと、粋さをたっぷり体現した1曲。
THE CHI-LITES 「let me be the man my daddy was」


 
 そのとき思った。
 なぜ、70年代ソウルがこんなにいいんだろう。
 ずっと、「自分の青春時代に聞いた音楽であるため、ノスタルジーが刺激されるのだろう」と思っていたが、そうでもないと思い直した。

 やっぱり、ポピュラーミュージックとしての完成度が高いのだ。
 「気持ち良い音楽」としての計算がハンパじゃない。 
 美術で「黄金分割」という言葉があるように、美しい音楽としての絶対基準が確立されているのだ。
 
 70年代ソウルのもっとも “おいしい時期” は、68~69年から73~74年ぐらいまで。
 その短い時間の間に、ビートルズの登場と同じくらいのポップス音楽史上の最大の奇跡が起こったのだ。
 100年に一度くらいの奇跡といっていい。

 …… などと、酔った頭で、自己満足的にそう考える。
 キャンピングカーの中で過ごす自分のもっとも楽しい時間が、そうやって流れて行く。
 
 
参考記事 「キャンピングカーと風景と音楽の相関関係」
 
参考記事 「涙腺のゆるむ音楽(70年代ソウル)」
 
  

カテゴリー: 旅&キャンプ, 映画&本   パーマリンク

下道を走って、道の駅でSOULを聴く への2件のコメント

  1. 木挽町 より:

    最高にカッコいいですね。いいなぁ。すごくうらやましい。新幹線より各駅停車。高速道より一般道。なかなか味わい深かったことでしょう。最高の時間の使い方かもしれません。とはいえ、目的地に到着するという目標がある往路はいいのですが、帰路はさすがに高速道ですよね。

    • 町田 より:

      >木挽町さん、ようこそ
      ええ、そのとおり。
      帰路は高速道路をすっ飛ばしました。
      東海地方・関東地方はものすごく爽やかな晴天で、車の窓を開け放ったときに忍び込んでくる風が最高に爽やかでした。

      「足柄SA」で一泊して帰ってきたのですが、6時半ごろから自衛隊の演習で打つ空砲に起こされました。
      ま、それも秋晴れの朝の運動会の始まりを思い出して、悪い気分でもなかったですけどね。(そういえば、最近はもう運動会の始まりに花火を打ち上げることもなくなりましたね)

      足柄SAでは、24時間温泉が楽しめます。
      晴れた朝のいちばん風呂は、「爽やかさ」が身体にも、心にも沁みますね。
       

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