キャンピングカーで「壺焼き芋」を販売

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キャンピングカーユーザーたちの肖像 6
― ナッツRV ラディッシュ・コンポ(平成19年式) ―
見附豊和さん

 キャンピングカーユーザーには、本当にさまざまな人がおり、その使い方も千差万別。
 しかし、キャンピングカーを「焼き芋」の搬送車として使い、車内で寝泊まりしながら、サービスエリアや村の駅ほか、さまざまなイベント会場で、焼きたての芋を販売している人といえば、全国で “この人” しかいない。

 見附豊和(みつけ・とよかず)さん。

 見附さんは、東京・北区豊島で、芋ようかん、塩大福などというこだわりの和菓子を作っている老舗「倉田屋」のご主人。

 創業は大正10年。
 この店で作られる和菓子は、着色料・保存料などを一切使わず、自然の味をひたすら追求しているため、「味の深さが絶妙」と多くの人々に絶賛されている。

 その倉田屋を営む見附さんが、現在精力的に出張販売しているのが、焼き芋なのだ。
 もちろん、ただの焼き芋ではない。
 栽培に特殊な技術を要する茨城産の「シルクスイート」という品種を使い、それを練炭の燃焼によって生じる遠赤外線でゆっくり焼き上げる。
 
 焼く “道具” は壺。
 いわゆる「壺焼き芋」。

 一個20万円もするという素焼きの壺の底に練炭を敷き、200℃ぐらいの熱で、1時間ほどかけて焼く。
 そうすると、生芋の持っている成分が芯から焼き上げられ、芋本来の味が一層濃厚になって、普通の焼き芋のレベルとはまったく異なる、甘くてふくよかな味になるという。
 
 もちろん、私も食べた。
 自然の “芋” というよりも、腕の良い職人の手によってじっくりと作り込まれた高級スイーツの感じだった。
 しかし、見附さんによると、「それこそが本来の芋の味」だという。
 
 そういう「壺焼き芋」を販売しながら、各地のイベント会場をキャンピングカーで回る見附さん。
 それは、いったいどういう「キャンピングカーライフ」と言っていいのだろう。
 キャンピングカープラザ東京のユーザーミーティングでお会いした折に、それをうかがってみた。
 

 
【町田】 現在使われているキャンピングカーは、ナッツRVのラディッシュ・コンポ(平成19年式)ですよね。この車に着目された理由は何ですか?
【見附】 ちょうどよいサイズなんですよ。いろいろなイベント会場に行くのに、大き過ぎもせず、小さくもなく。
 これで、芋を焼く壺が三つも入るんです。かつ折りたたみ式の2段ベッドなどもあるから、寝るところも楽に確保できる。

▼ ラディッシュ・コンポ室内 中央上にあるのが折りたたみ式2段ベッド(ホームページから)

【町田】 それ以前は、どんなキャンピングカーに乗っていらっしゃったんですか?
【見附】 最初はアメ車のタイガーだったんです。
【町田】 シボレー・アストロベースのクラスCですね。
【見附】 そうです。当時は高校で地質学を教えていましたから、山の中にアンモナイトの化石を取りに行っていたんですね。アンモナイトは海の生物だけど、太古の地層が変わって、今は山の中に化石があるんです。
 しかし、山でそういう作業をしていると、泊るところがない。いちいち下山して、町の宿に戻るのが面倒だったので、キャンピングカーを買うことにしたんです。
 
【町田】 へぇ ! 和菓子屋さんをされる前は、学校の先生だったわけですか?
【見附】 実家は和菓子屋でしたけれど、自分のメインの仕事としては、女子高で地質学を教えていました。教材として、山からアンモナイトが埋まっている岩を見つけてきては、授業中にハンマーで岩を割り、生徒にアンモナイトを取り出して見せるわけです。
【町田】 みんな面白がったでしょう !
【見附】 ええ、喜んでくれましたね。
 
【町田】 見附さんは面白い経歴をお持ちなんですねぇ !
【見附】 最後はその学校の校長を務めましたけれど、定年退職をしてね。今は和菓子屋を営みながら、こうして焼き芋屋のオヤジをしているわけ(笑)。でも、まだ教育関係の仕事も平行してやっていますけどね。

【町田】 それは何ですか?
【見附】 帝京学園がロンドンで「帝京ロンドン」というハイスクールを開いているんですけど、そこの広報のお手伝いをしています。
【町田】 学校の仕事と焼き芋の移動販売 …… 。じゃお忙しいですね。
【見附】 だからキャンピングカーの機動力は助かりますね。

【町田】 そもそもキャンピングカーは、地質学の研究のために買われたわけですよね?
【見附】 そうなんですが、家族を乗せて旅行やキャンプにもずいぶん行きましたよ。
【町田】 アストロタイガーの次の車は?
【見附】 アネックスのエディⅡでした。トイレのない車だったから、それをキャンピングカープラザ東京の木村さんにお願いして、トイレスペースを設けてもらったりして … 。
 そのうち子供も大きくなって、キャンプにもついて来なくなったから、アメ車のコーチメンを買って夫婦で旅をしていたんですけど、燃費が良くなかったから、このラディッシュ・コンポに替えたんです。

▼ ラディッシュ・コンポ室内 (ホームページより)

【町田】 じゃ、現在は4台目ということですか。
【見附】 焼き芋の壺を積んで移動するには、今のところ、この車が一番便利ですね。

【町田】 「壺焼き」というのは、日本では珍しい焼き方になるんでしょう?
【見附】 でも、昭和30年ぐらいまでは、みなこの焼き方だったんですよ。今はガスを使う方が多いけれど、ガスだとお芋の表面だけが強く焼けるので、皮がゴワゴワになってしまうんです。
 しかし、壺焼きだと、壺の中に吊るして焼くことになるので、皮と実がゴワゴワにならず、芯からじっくり焼ける。ただ、焼くのに時間がかかりますけどね。

▼ 素焼きの壺に吊るして焼き上げる「壺焼き芋」

【町田】 それが美味しい焼き芋の秘訣だと … 。
【見附】 そうです。つまり、低い温度でじっくり焼いていくと、デンプンが麦芽糖に変わっていくんですよ。
 けっきょく焼き芋の甘さというのは、普通の砂糖の甘みではなく、麦芽糖の甘みなんですね。
 その甘みを引き出すには、壺焼きがいちばん適しているんです。電子レンジなどで早く焼き過ぎると、麦芽糖に変わらないので、甘みも薄くなってしまうんですね。

【町田】 焼き上がりはどうやって調べるんですか?
【見附】 手で触って … 。だからいつも火傷してしまう(笑)。

【町田】 そもそも、壺焼きを始めたきっかけは何だったんですか?
【見附】 和菓子屋(倉田屋)で、芋ようかんを作っていた関係からですね。それで、焼き芋にもトライしてみようかということになり、10種類ぐらい試しているうちに、シルクスイートという絶品の芋に出合ったんです。

【町田】 シルクスイートの特徴は?
【見附】 開発されてまだ4年目の品種ですけれど、とにかく、ほんとうに美味しい。
 それで評判になって、今ではずいぶん人気が出てきたんですけど、栽培が難しくて、そんなに多く採れないんですよ。デパートに多少出回り始めましたけれど、まだ町のスーパーなどでは売っていないですね。

【町田】 貴重なお芋なんですね。
【見附】 そうです。だから売る量も限られてしまいますね。
【町田】 イベントなどで売る場合は、どれくらい用意するんですか?

【見附】 昨年の年末に足柄のサービスエリアで売ったときは、2,200本ぐらいかな。
【町田】 一本いくらで?
【見附】 大きいのは500円。小さいのは300円。この前、三島の村の駅で売ったときは、2日間だけでしたけれど、10万円ぐらいの売上げになりました。
 ありがたいことに、そういう場所を提供してくださる方々が、次々といろいろな売り場を紹介してくれるんですよ(笑)。

【町田】 ファンが急増中ということなんですね。
【見附】 9月の頭に、東京の飛鳥山公園で「鉄人シェフ大会」という催し物が行われたんですが、そのスイーツ部門で2位になりました。いろいろ凝ったお菓子がたくさん出る大会でしたけれど、生の芋だけで受賞したのは珍しいと言われましたね。そのときは、2日間で800本ぐらい売れました。

【町田】 いやぁ、すごい !
【見附】 焼く時間がかかるので大変でしたけれど(笑)。でも、おかげさまで少しずつ評判が広がっていって、昨年の12月に、日テレの『マツコ&村上君』という深夜放送でも採りあげてもらったんですよ。番組の中で味を絶賛していただいて、うれしかったですけどね。

▼ テレビで採りあげられたときの画像

【町田】 そうなると、だんだん我々庶民の口に入るのも難しくなってくるのかな(笑)。
【見附】 そんなことないですよ(笑)。こういうキャンピングカーイベントなどには頑張って用意してきますから。 
【町田】 いろいろと面白いお話をありがとうございました。
 
  
▼ 「キャンピングカースーパーガイド2015」 発売中
定価 700円+税 756円
発売 日版IPS 東京都文京区湯島1-3-4 TEL:03-5802-1859
発行 自動車週報社 


  
※ 「キャンピングカープラザ東京」のブログに、『キャンピングカースーパーガイド2015』 をご紹介いただきました。
( ↓ )
http://campingcar-rv.com/tokyoblog/?p=8924
 
  
 

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