お台場というバーチャル空間

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 先週の土日、東京・江東区青海で開かれた「お台場キャンピングカーフェア2015」を取材してきた。

 このフェアは、都会のど真ん中で開かれるキャンピングカーイベントとして有名で、超近代的なビル群に囲まれた空間でキャンピングカーを眺めるという、非常に先鋭的なヴィジュアルに彩られていることが特徴となっている。

 もちろん、会場の周りには、緑のしたたる木々や芝生も広がっている。

 だが、それらの光景は自然でありながら、自然の感じがしない。
 どこか人工的。CGで合成された「自然」のように見える。
 そればかりではなく、遠くにかすんでいる高層ビル群ですら、SF映画のために造形されたCG画像の匂いがする。

 おそらく、それがお台場という空間の特徴なのだろう。
 
 ここは、この世には存在しないバーチャル空間なのだ。
 見た目の映像の裏側には、高度な技術によって処理されたコンピューター画像の世界が広がっているようだ。
 21世紀の日本に、ここだけ、ぽっかりと「22世紀」が顔をのぞかせている。

 キャンピングカーイベントの当日、会場の真向かいにある「ダイバーシティー東京」の広場では、ハローウィンの仮装行列が行われていた。
 その行列に声援を送って、写真を撮ったりしている見物客もハローウィンの仮装を楽しんでいる。

 交通整理を行っていた女の子に、「これ何のイベント?」と聞いてみた。

 仮装行列のなかには、タレントがたくさん混じっているのだという。
 「どんなタレント?」
 「◎◎や、○○、△△もいらっしゃいます」
 一生懸命答えてくるのだけれど、私のようなオジサンには、みなはじめて聞く名前ばかりで、誰一人顔を思い浮かべることができない。
 もうすでに、その行列自体が、私にはSFファンタジーなどに出てくるホビットとかゴブリンのようなものだ。

 行列から少し離れた木陰では、仮装イベントに参加するためのメイクを整えている少女たちがいた。
 その姿が、もう妖精のように見えてしまう。

 

 そもそも、「ダイバーシティ東京」という施設自体が、この世に魔法の力で出現した遊戯空間である。
 
 ▼ 有名な等身大のガンダム。
 「等身大」とういうけれど、いったい誰が本物を探し出して、その寸法を測ったのだろう。
 

 ▼ 建物の中に一歩踏み入れると、もうそこは人間の視覚を混乱させるような螺旋状のフロア構造になっていて、いよいよファンタジー世界への突入となる。

 ▼ “未来空間” に少し疲れて、海を見に行った。

 ▼ だが、ここも、ビルのネオンに囲まれた人工の海辺であった。
 

 ▼ まばゆいばかりのライトを灯した遊覧船が出航するところだった。
 

 あの船はどこに行こうとしているのだろうか。
 たぶん、時空を超えた “あの世” の海に漕ぎ出していくのだろう。
  
  

カテゴリー: コラム&エッセイ   パーマリンク

お台場というバーチャル空間 への5件のコメント

  1. かたなねこ より:

    日曜日のお昼頃行っていましたがお会い出来ませんでしたね、買い換えの予定も無いので車はあまり見ないで、T社やエアサス屋さんで油を売って光触媒施工を予約、アクアケムを買って温玉しらす丼食べて引き上げました。最近はショーに行ってもこのパターンです(笑) そのあと大江戸温泉のドックランで開催された保護犬の同窓会に参加して大勢のポメラニアン達と戯れてきました、こっちの方が楽しかったかな!

    • 町田 より:

      >かたなねこ さん、ようこそ
      いやぁ、残念です。
      私も、日曜日の昼は会場内をうろうろしていたのですが、すれ違うことがありませんでしたね。
      もしかしたら、ハローウィンの仮装行列を見物しに行っていた時間帯だったかな。

      とにかく、土日とも晴天に恵まれて、気持ちの良い時間を過ごすことができました。
      そんな日にお会いしていれば、談話も楽しくが弾んだかもしれませんね。

      次にこういうイベントがあれば、ぜひとも探し出して、お声をかけてください。
       

  2. 木挽町 より:

    たしかにそうですね。住まいからは比較的近いのですが滅多に行きません。ちょっと不便だし。区境が分かり難くて、どこまでが品川区でどこからが江東区だか。港区の場所もあるような。昔はハゼ釣りに行ったのですが今は何がなんやら分からなくなってしまいました。フジテレビや日本テレビはなんであんなところに行ったんだろう。麹町や河田町のほうがよかったのに。テレビ番組もおもしろくないものが多くなってきたような気がします。

  3. 木挽町 より:

    情緒的ですみません。ちょいと書き足します。私にとって台場やTDLのようなバーチャル空間にイマイチ馴染めないのは、生活感というか臭さというかしみついた色とかが無いような気がするからかも。たまたま今日からモーターショーですが、クルマで言えば、かっこいいスーパーカーとかスピードスターとか輸入高級車とかにはそれほど興味を持てないのと似てるかな。カッコいい車のポスターのような写真とかだと何も響かないのです。貧乏くさいのですが、パブリカとかカローラとかブルーバードとかだと猛烈に興味が湧きます。富士フレッシュマンレースを走るようなクルマのほうがおもしろいと感じます。身の程もありますしね。

    • 町田 より:

      >木挽町さん、ようこそ
      おっしゃること、よく分かります。
      確かに、最近のお台場の光景は、TDLに近くなっていますね。
      “最先端” を謳うアミューズメントスポットは、みな似た意匠に統一されていくのかもしれません。どこからが現実で、どこからが仮想空間なのか判別できないような。

      車も同じで、スーパーカーのフォルムなどは、ますますSF映画に出てくる乗り物のような形に近づいていますね。

      乗用車も、内燃機関の熱い鼓動を伝えるような車から、ハイブリッドやEVのような音のしないものに移行しつつあります。
      確かに、エンジン音やオイルの匂いにまみれたパブリカ、カローラ、ブルーバードの時代が懐かしい。
      そこには、音、匂い、熱といった現実の手触りがあったから。

      でも、そういう世界を知らない若者たちは、現実の手触りが遠ざけられた今の環境のなかで、それぞれ自分たちの感覚を磨いていくのでしょう。

      それが「良いこと」なのか、「悪いこと」なのか、私にはにわかに判別できません。
      おそらく、事の良否を超えて、人間の感覚というものは、その時代のいちばん先端的なテクノロジーを反映しながら、変容を繰り返していくんでしょうね。

      私は、新しい街の景観や、新しい遊戯空間に対して、なんともいえない違和感を抱きながらも、同時に好奇心をもって眺めています。
      自分の “心” は、すでに、そういう新しい世界になじむ柔軟性を失っていますけれど、「奇妙な世界」を覗きこむ面白さも感じています。

      その引き裂かれたアンビバレンツな感覚が、自分で書いたこのエントリー記事にも現われているような気もします。

      「好奇心もあるんだけど、やはり違和感は払拭しきれない」
      そういう微妙な気分を木挽町さんにすくい取ってもらって、うれしく思いました。
       

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