NTB「SAKURA(サクラ)」

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - NTB「SAKURA(サクラ)」
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed

  
 
SAKURA(サクラ)というキャブコンに見る “硬派の精神”

 日本語を車名に使った国産キャンピングカーというのは、非常に少ない。
 私の知るかぎり、オーエムシーさんの「銀河」「北斗」「ちくら」など。
 ほかには、RVコーエイさんの「浪漫」ぐらいか。

 そこに加わったのが、NTB(日本特種ボディー株式会社)がこのほど開発した「SAKURA(サクラ)」である。

 SAKURA(桜)とは、日本を象徴する花の代表格。
 最近話題になったラグビー日本代表のエンブレムのように、日本人の精神を表現するときのイメージシンボルでもある。

 そんな名前を冠して登場したNTBの新型キャブコン「SAKURA」は、果たしてどんな目標のもとに開発されたのか。
 同社のスタッフに話を聞いてみると、そこには「野望」という言葉の響きにも近い、雄大で野太い「狙い」が秘められていた。

 SAKURA開発の意図と、その機能的な特徴を、同社の蜂谷慎吾(はちや・しんご)社長と江田敏夫(えだ・としお)会長に、それぞれうかがった。
 
 
信頼性あるBe-cam シャシーに独自のボディ構造をドッキング

【町田】 SAKURAというキャブコンの最大の特徴は、いすゞ自動車のBe-cam(ビィーカム)というシャシーを採用したことにあると思うのですが、この狙いはどういうところにあったのでしょう?
 
【蜂谷】 ビィーカムというのは、日本のトラック業界のリーディングカンパニーであるいすゞ自動車が、エルフをベースに本格的に開発したキャンピングカーシャシーなんですね。しかし、荷物を運ぶ車ではなく、キャンピングカー用ですので、「エルフ」という名前が付かないんです。
 それだけに、走行安定性、燃費性能、さらには空調設備など、何をとっても、現在の国産キャンピングカーシャシーでは最高水準をクリアしています。
 そのシャシーを使うことで、安全で快適。さらには使ってほんとうに楽しめるキャンピングカーを実現することが可能になると判断したわけです。
 
【町田】 シャシー性能の具体的なメリットを挙げると、どういう特徴があるのでしょう?
 
【蜂谷】 まず、足回りが1ランク上の性能を獲得しているんですね。それによって重量がかさばる架装内容であっても余裕で耐えられる重量耐久力が確保されています。
 スタビライザー、リヤスプリング、リヤショックのほか、デフギヤの高速ギヤへの変更まで含め、すべて専用設計されていますし、オルタネーターも通常のエルフよりも大幅に発電量の多いものに換装されています。
 もちろん、タイヤバーストなどに対応するために、後輪はダブルタイヤ。
 さらにいえば、最近のキャンピングカーに搭載されている家庭用エアコンとは異なる冷却能力の高い車載専用クーラー、アイシーエル製「アイクール」も搭載されていますので、長時間のエアコン駆動が可能になっています。
 そのエアコンを安定して使えるための電装技術として、ウルトラキャパシタなども採用しています。

【町田】 このビィーカムを最初に広めたのは国産大手ビルダーのA社さんですよね。御社はこれでビィーカムシャシーを採用した2番目のビルダーということになるのですか?
【蜂谷】 そうですね。A社さんが道を開いてくださったおかげで、私たちもずいぶん勉強させてもらうことができました。
 
 
住宅技術を生かした新設計のボディー構造

【町田】 このSAKURAという車が、これまでの国産キャブコンと異なるところはどういうところなのでしょう?
【蜂谷】 まず、ボディー構造が今までの車種にはないものになっています。
【町田】 … というと?
【蜂谷】 エアサイクルというボディー構造になっているんですよ。これは2層構造のFRPによって成立しているもので、FRPの壁が、隙間を挟んで2枚重ねられていると考えればいいと思います。
 つまり、そういう構造を整えることによって、断熱性の確保はもちろんですが、2層式のモノコックボディーが形成されたことも意味するんですね。
 だから、要所要所を骨組みで補強しなくても、剛性も確保できれば壁面の強度や耐久性も上がる。そのために軽量化も図れる。もともとは住宅を建築するときの技術なんですね。

▼ エアサイクルの断面サンプル

【町田】 エアサイクルの断熱性は、普通の断熱材とはだいぶ違うんですか?
【蜂谷】 違いますね。現在多く使われている硬質ウレタンフォームでは、夏の直射日光が当たると、やはり車内に熱がこもってしまいます。そうなると、普通のエアコンで冷却するのはそうとう効率が悪くなって、満足できる温度設定に至らないことがあります。
 エアサイクル構造だと、まずそこのところで、これまでのキャンピングカー用断熱材よりもそうとう優れた断熱効果を発揮します。

【町田】 そのようなメリットの多いエアサイクルですが、なぜこれまではキャンピングカーボディーに採用されなかったのでしょう?
【蜂谷】 やはり、このシステムでボディーを作るとなると、精度を確保するのにすごく技術的な技量が要求されるし、手間もかかるんですね。当然コストもかかります。
 だから、うちも、このシステムを熟知している高い技術を持った日本人スタッフと工場を抱えることが要求されました。海外で製作すれば安くできることは分かっているのですが、これだけは “メイド・イン・ジャパン” を貫かざるを得ない。
 
 
これまでのキャブコンにはなかった画期的な熱対策

【町田】 エアサイクルが採用されたことによって熱対策が進歩したということですが、具体的にはどういうことを行ったのですか。
【蜂谷】 SAKURAに使われているビィーカムは、これまでのキャンピングカー用冷房機器とは異なる優れた能力を持っているのですが、それでも、真夏の直射日光をボディー全体が受けたときは冷却効果が十分に発揮されないこともあるんです。
 その対処方法としては、アイクールの出力を上げて、常時フル回転させるしかないのですが、そうすると、今度はバッテリーの電気をどんどん消費することになってしまうんですね。

▼ アイクール

【町田】 そうなると、やはりボディーそのものを改良しなくてはならないと?
【蜂谷】 そのとおりです。それがエアサイクルの採用に踏み切った大きな理由の一つですね。
 ただ、天井と壁はエアサイクルのFRP2重構造で熱問題を処理できたのですが、床面は、それだけでは簡単に解決しないんですよ。
 というのは、ディーゼル車の床というのは、DPF(排気微粒子除去装置)が排ガスを浄化するときに、ものすごい熱を発生させるんですね。
 その熱を排出させるために、このSAKURAでは、フロントスカートのところに排熱用の排気口を設けました。
 これらの総合的な熱対策によって、この車は、現在時点ではいちばん熱処理の進んだキャブコンになっているはずです。

▼ フロントスカート部の排気口

 
 
数々の新装備を意欲的に盛り込む

【町田】 なるほど。エアサイクルの採用によって画期的なキャブコンが誕生したことはよく分かったのですが、そのほかの装備類において何か特徴的なことがありますか?
【蜂谷】 トイレなどは、オプションですが、清掃の手間がかからないラップポンを用意しております。使用後に汚物を特殊フィルムが自動的にくるんでしまう方式なので、処理がたいへん楽ですね。
 もちろん標準的なカセットトイレも装着できますし、普通のポータブルトイレも置けるようになっています。
 ただ、マンションのようなところにお住まいの方だと、トイレタンクを自分の部屋まで運ぶというのはけっこう面倒ですよね。そういう場合は、ラップポンが便利ですね。

▼ ラップポン

【町田】 ボディ横に取り付けられているテーブルも、新意匠ですね。
【蜂谷】 はい。あのテーブルは簡単に車内から引き出すことができるので、キャンプ場などでちょっとしたお茶を飲むときや、お弁当などを広げるときに便利だと思います。

【町田】 このテーブルには名称があるのですか?
【蜂谷】 とりあえず「リヤスカート収納テーブル」と呼んでいます。実は、あれだけはまだ “発展途上” の装備なんですよ(笑)。テーブルの足などにもう少し改良を加えて、もっとしっかりしたものに仕上げていくつもりですけどね、
 
 
ユーザーニーズに応えた2種類のレイアウト
 
【町田】 現在レイアウトが二つ用意されていますが、その違いは何でしょう?
【蜂谷】 簡単にいうと、ご夫婦2人で使うのに適したキッチン重視のタイプと、ファミリー向けの常設2段ベッドタイプに分かれています。

【町田】 ご夫婦向けの仕様は何んと呼んでいるのですか?
【蜂谷】 「リヤキッチンモデル」と呼んでいます。
 けっこうキッチンスペースが広くて充実しているんですよ。最近は車内で食事を作らないというユーザーさんが増えていますけれど、おおげさな調理までいかなくても、レトルトものを温かくしたり、買ってきたお惣菜にちょっと加工したりするとき、やはりある程度のキッチン機能があった方が便利なんですね。
 あとは、マルチルームが広いことが、こちらのタイプの特徴です。

▼ リヤキッチンモデル


 
 
【町田】 2段ベッドタイプは何んと呼んでいますか?
【蜂谷】 「常設2段ベッドモデル」ですね。こっちの方は、2人仕様に比べて就寝定員が増えるので、ご家族の多い方に向いています。
 レイアウトは、よくあるリヤ2段ベッドスタイルですが、それでもキッチンスペースは、このタイプのレイアウトとしては広い方だと思います。

▼ 常設2段ベッドモデル


 
 
【町田】 どちらも、なかなかカラーコーディネートがお洒落ですね。
【蜂谷】 家具色は、10色ぐらい用意したカラーのなかから自由に選べるようになっています。
 さらにシート生地も、お客様の好みの色をチョイスできるように分厚い生地見本を用意しています。カーテン柄、床の色なども自由に選べます。
 基本的に、この車の場合は、お客さんのオーダーがあれば、どんどん取り入れていく方針なんです。

【町田】 どの程度までの注文を受けるのですか?
【蜂谷】 装備類のチョイスはもちろん、家具の構造から、レイアウトまで。
 もちろん基本的なレイアウトはだいたい決まっているので、それを少しずつ手直していくことになりますが、「どうしてもまったく違うものが欲しい」というご相談を受ければ、車両としての安全性、快適性などを考慮しながら特注製作もいたします。
  
 
ワンオフも辞さず

【町田】 ワンオフですかぁ !?
【蜂谷】 そうですね。うちの場合は、基本的にお客様からのご要望があれば、それに対して、「できません」とはけっして言わないスタンスで臨んでいます。
【町田】 大丈夫なんですか? ワンオフの場合は工数もかかるし、受注がどんどん入ってきた場合は、納期の遅れのもととなりますが … 。

【蜂谷】 そこをやり切ります。今のビルダーさんは、お客様の個別の要望に応えない方向に進んできていますよね。
 しかし、このクラスの本格的なキャブコンを検討されている方は、やはりご自分で体験されたり、いろいろ研究されたりしているので、ご自分の好みの仕様を頭に描いていらっしゃる方が多いんですよ。
 NTBという会社を設立した意味には、そういうお客様のニーズに応えることが目標の一つになっています。
 建築においても、注文住宅の場合は、設計士と一緒になって、あれこれと自分の夢を具体化していく過程のなかにすでに楽しみがありますよね。SAKURAは、そういう注文建築の要素を取り入れたキャブコンであると認識していただけると、うれしいですね。


  
……………………………………………………………………………
 
 蜂谷社長の話をうかがっていると、このSAKURAが、これまでのキャンピングカー開発では見られなかった新意匠をたくさん盛り込んだキャブコンであることが、ひしひしと伝わってきた。

 では、こういう開発姿勢は、いったいどのような背景のもとに生まれてきたのだろうか。
 NTBという会社の構想を最初に頭のなかに描いた江田敏夫会長(写真下)に続けて話をうかがった。


  
 
理想のキャンピングカー開発を自分の手で実現

【町田】 NTB(日本特種ボディー株式会社)という会社を設立された意図には、どんな思いがあったのですか?
【江田】 やっぱり、自分の理想とするキャンピングカーを自分の手で作り上げたみたいという夢があったんですね。
 というのは、現在のキャンピングカーをあれこれ見ていても、まだ自分のほんとうに欲しいと思えるものが生まれていない。
 その理由をいろいろ考えているうちに、もう自分たちで開発するしかないと思うようになってきたんです。

【町田】 そういう想いは、やはりご自分の体験が生まれてきたのですか?
【江田】 はい、そうです。キャンピングカーユーザーとして25年ほどの経験を積んできました。
 その間、全部で6台ぐらいのキャンピングカーを乗り継いできました。
 24フィートの輸入車に始まり、21フィートに移行し、フルオーダーのハイエースを作ってもらったり、バスコンに乗ってみたり、最後は2トンシャシーの国産キャブコンを経験しています。

▼ SAKURA常設2段ベッドモデル

【町田】 江田さんの考えていらっしゃる理想のキャンピングカーというのは、どういうものなのでしょう?
【江田】 私自身の仕事柄も関わることなんですが、私の本業というのは、大型トラックや業務用トレーラーなど大型重機に関わる仕事なんですよ。そのため、どうしても足回りや軸重、重量バランスなどに関して、設計者としての目線でチェックしていかなければならない。
 そういう仕事を30年も続けていると、現在のキャンピングカーづくりに対して、「はたしてこれでいいのか?」という思いが湧いてきてしまうんですね。

【町田】 どういうことでしょう?
【江田】 新参者がこんなことを言ってしまうと、非常に失礼な言葉になってしまうかもしれませんが、やはり安全基準一つとっても、徹底的に突き詰めた開発を行っているところが少ない。
 もちろん、真摯な業者さんは一生懸命取り組んでいますが、全体の傾向として、そこのところを煮詰めていらっしゃるビルダーさんは、まだそれほど多くないように感じます。
 
 
安全対策を、まず徹底的に追及

【町田】 確かに、業界内でもそれを指摘する良心的な声はあがっていますけどね。
【江田】 はい。そうでしょうね。でも、その対応に時間がかかり過ぎているのではないでしょうか。
 私自身もキャンピングカーユーザーとして、国産車も何台か乗り継いできて、タイヤのバーストなどもずいぶん体験しています。
 その原因を調べると、やはり耐荷重や重量バランスなどに非常に問題が多いことが分ってくる。
 もし、それで事故が起きた場合、私の本業である重機の世界では、もう即座に認可が取り消しになってしまうんですね。
 キャンピングカー業界の外の世界はそれだけ厳しいというのに、この業界では、そういう対策に乗り出そうとする機運が熟していないように感じられるのです。
 こんなことを言ったら、皆さんに迷惑がかかることは重々承知の上ですが、NTBを立ち上げるきっかけとなる話なので、そこは外せないんですね。

▼ SAKURA リヤキッチンモデル

【町田】 安全対策ということで、SAKURAの場合、特に力を入れていらっしゃるところはどこですか?
【江田】 まずは、いすゞBe-cam(ビィーカム)というシャシーを採用したところですね。これは蜂谷の説明にもあったとおり、大メーカーが本腰を入れて関わったキャンピングカー専用シャシーですから、安全性は折り紙つきです。
 そのシャシーを土台にしながら、私たちのアイデアで、車内に溜まった熱を効率よく排出するための空気の循環システムをボディ構造そのものに導入しています。
 それと、これも私たちのこだわりなんですが、CO(一酸化炭素)感知センサーと消火器を標準装備にするつもりです。
 外国のキャンピングカーは、みなその二つが当たり前のように搭載されているのに、国産車ではほとんどお目にかからない。
 「夫婦やファミリーの幸せ」を実現するという期待を背負った車なのですから、COセンサーや消火器のようなものを標準装備することは当たり前のように私には思えるんですけどね。

▼ SAKURA リヤキッチンモデル

 
 
NTB設立の目的は海外雄飛
 
【町田】 実に画期的なキャブコンが誕生したと思うのですが、すでに市場の反応も高評価が多いですね。
【江田】 ありがたいことですね。しかし、私たちは国内で評判を取ることだけに満足していないんですよ。
【町田】 海外雄飛ですか?

【江田】 そうです。それがNTBという会社を設立したときの大きな目標になっているんですね。
 国産キャンピングカーは、“ガラパゴス化” のなかでさまよっているなどと言う人もいますけれど、そんなことはない。
 ビィーカムというシャシーは、世界に誇れる技術水準をクリアしているし、まず「いすゞブランド」というものが世界中に浸透している。
 それに、近年の日本製品に対する世界の信頼度はどんどん増している。昔から「メイド・イン・ジャパン」は日本製品の優秀さを表現するときのキャッチとして、外国人にも親しまれてきましたけれど、今はそれがさらに高まっている。

【町田】 日本のキャンピングカーが、いよいよ世界に打って出る環境が整ってきたということなんですね?
【江田】 そうなんです。「SAKURA(サクラ)」という車名を考えたのも、実は海外に国産キャンピングカーのイメージを浸透させたいという希望があったからです。
 SAKURAは、ビィーカムの1.5トンシャシーですけれど、今後2トン車を開発したときには「ASAKAZE(朝風)」などという車名も考えています。
 さらには、日本ブランドだとすぐ分かるように、「NINJA(忍者)」、「SHURIKEN(手裏剣)」などという名前も頭に浮かべているんですよ。(笑)
 
▼ SAKURA 常設2段ベッドモデル
 
  
 
国産ブランドを海外で売るための秘策
 
【町田】 具体的な商圏は?
【江田】 中国、ベトナム、カンボジアなどのアジア圏から、広くオセアニアまで。
 ですから、将来的には、デュッセルドルフのキャラバンサロンや海外のショーに出展させ、「メイド・イン・ジャパン」を掲げて、海外のステージで勝負したいという夢を持っているんです。

【町田】 なるほど。… しかし、具体的に海外に出荷するとなると、国ごとに異なるレギュレーションの違いをまず克服しなければなりませんよね。
 その場合、製作的に煩瑣な対応が要求されることになるでしょうけれど、それは、キチッと研究すれば、技術的にはそれほど難しいことではないのかもしれません。
 それよりも、そういう個別のレギュレーションに対応するときのコスト高を克服したり、商流をどう整備するか。そこに大きな壁があると思うんですが … 。

【江田】 確かにそういう問題はあります。しかし、ありがたいことに、我々に支援を申し出てくださる大手企業さんが何社かあるんですね。
 それらの企業も、国産キャンピングカーが海外に雄飛することにロマンを感じてくれています。
 やはり、今の日本の企業は、少子化などの問題も絡んでくるので、将来市場が縮小していくのではないかという不安を持っています。
 そういうときに、世界に通用する国産キャンピングカーが海外マーケットを押し広げていくという夢に対しては、皆さん期待感を持ってくださるんですね。
 そういう何社かの企業のサポートをいただく了承が取れていますので、海外に出て行くことは、資金的にはそれほど難しいことではないんですよ。
 
▼SAKURA 常設2段ベッドモデル

 
 
ビジュアル面でのデザイン力強化が今度の課題

【町田】 現状で、そういう海外雄飛に備えて準備しなければならない課題が残るとしたら、それは何ですか?
【江田】 ボディーやシャシー、それとキャブコンとしてのシステムは、もう完成したのかな … と思えるほどの自信を持っています。走行性能や空調などは、あとは「熟成」というテーマが残るだけですね。
 今後の課題があるとしたら、それはビジュアル面ですね。新参者ですので、まだ現在のキャンピングカービルダーさんが手掛ける内外装のデザインセンスには、正直追いついていないと思っています。
 しかし、これに関しては、今後資金も投入してデザイン力に磨きをかけていくつもりです。洗練されたものになるには、まだ2~3年かかるかもしれない。しかし、「メイド・イン・ジャパン」を謳うかぎり、海外メーカーの車と並べても、けっして引けを取らない車を目指して頑張っていきます。

▼ 常設2段ベッドモデル

【町田】 今後の広告展開などには、どのような戦略を思い浮かべていらっしゃいますか?
【江田】 やっぱり、キャンピングカーは「遊びの車」なので、イメージ形成が大きくものをいいますね。
 だから、将来はいろいろなタレントや、ファッション誌に登場するような男女のモデルなどに登場してもらい、雰囲気の良いロケーションを選んで広告素材を作っていきたい。
 あとは、大手家具さんなどとのコラボも考えています。たとえば、このSAKURAの「イケヤ・バージョン」とか、「ニトリ・バージョン」などがあったりすれば楽しいじゃないですか。
 もちろんまだアイデアだけの段階にとどまっていますけれど、そういうキャンピングカー業界以外の企業とコラボレーションすることによって話題づくりが促進されたり、相互の連絡を密にすることによって、まったく違った商品の開発が始まることも期待できますよね。

【町田】 いやぁ、遠大なプロジェクトだと思いますので、今後に期待したいと思います。
 

 
なお、気になるSAKURAのお値段は、下記のとおり(いずれも税抜き)
 
スタンダード 2WD  6,870,370円 / 4WD 7,148,148,円
アイクールパッケージ 2WD  7,425,926円 / 4WD 7,703,704円
フルパッケージ 2WD  8,101,852円 / 4WD 8,379,630円 
  
 
参考記事 NTBの「SINOBI(しのび)」と「ASAKAZE(あさかぜ)」
   
  
NTB(日本特種ボディー株式会社)HP
http://www.ntbcamp.com/ 
  
 

カテゴリー: campingcar   パーマリンク

NTB「SAKURA(サクラ)」 への19件のコメント

  1. CHAN-BE より:

    いつも楽しみに記事を読ませていただいています。
    SAKURAという車にはとても興味があります。
    しかしながら、私が見た媒体では、価格に関する情報を見つけることができませんでした。
    興味のある人は問い合わせてくださいという姿勢にはあまり共感ができないものがあります。
    このあたりに関して、取材では何かお話はありましたでしょうか?
    (記事には珍しく、諸元もまったく記載されていませんことですし)

    • 町田 より:

      >CHAN-BEさん、ようこそ
      この車自体がまだ新しいので、価格設定をいろいろ詰めていた段階だったのではないでしょうか。

      ただ、お台場のイベントでは、価格表示が出ていました。
      以下、展示車に貼られていたインフォメーションをそのまま記します。

      スタンダード 6,870,370円 (税抜)
      アイクールパッケージ 7,425,926円 (税抜)
      フルパッケージ 8,101,852円 (税抜)

      内容を考えると、なかなか良心的な価格設定に思われます。
      以上の価格表示は、1.5トンモデルの例ですが、今後2トン車ベースも出て来るようですから楽しみです。
       

  2. かたなねこ より:

    お台場のショーで室内をチョット見た印象は「一昔前のデザインと仕上がり」でした。記事を読まして頂くと、とても志の高いビルダーさんと言う事が分かりましたし洗練されるには2~3年掛かるだろうと自覚されているので今後の飛躍に期待です。

    • 町田 より:

      >かたなねこ さん、ようこそ
      確かに、SAKURAの内外装のデザインは、発展途上という感じも多少受けました。
      しかし、外形フォルムのバランスは悪くなかったと思います。スクエアな感じで、ソリッド感がありました。
      あとは、フィニッシュの部分の緻密さなんでしょうね。
      ユーザーもそうとう目が肥えてきて、昔よりフィニッシュの仕上げを気にするようになってきましたから。

      内装は、キッチンカウンターやシンクの色使いや質感。マルチルームの床・壁などのデザインセンスが向上していけば、めきめきクオリティアップしていきそうな気がします。実用性の高さはしっかり備わっていると思えますので。

      基本コンセプトがしっかりしているので、ヴィジュアル部分が完成すれば、怖い車になりますね。他社さんは脅威かもしれません。
       

  3. 木挽町 より:

    じっくり読ませて頂きました。日本製を訴求している意味は大きいと思いました。東南アジアも視野に入っているというところが興味深いです。クルマとしては後処理(触媒)が発生する熱が少し厄介ですが、車内泊ができる特性を活かして、東南アジアの山岳地帯の寒村を巡回する診療車、処方薬局車、浄水車、発電車、地質調査車、測量作業車、などの機能を付加して日本の政府開発援助でも組めるとおもしろそうな気がします。ほんとは4x4とか6x6とかがいいんでしょうけど。

    • 町田 より:

      >木挽町さん、ようこそ
      さすが、良いところに目を付けられていますね。
      診療車、処方薬局車、浄水車、発電車、地質調査車、測量作業車 ……。
      東南アジアのマーケットを考えると、まだキャンピングカーを優雅に楽しめるほどの顧客は欧米のように多くはないでしょうから、そういう自治体・行政・企業などの作業車として認知されることも大事なことかもしれません。

      NTBという会社は、重機のノウハウに明るく、特注製作も得意とするようなので、その手の需要に応えるのは朝飯前だという気もします。

      また、そういうニーズをこなすことで、キャンピングカー製作に使える重要なデータ蓄積も増えるかもしれませんね。
       

      • 木挽町 より:

        勉強になります。案外こういうメーカーさんってありそうでないのかもしれません。ちょいとゴツイ系のもの造りしているような。ほんとうの意味での特種というか。たとえば一番目立つ消防車そのものを作っている会社はあるのですが、指揮車とか通信車とか工作車などの後方支援車両となるとなかなかありません。前線が短い日本ならともかく、守備範囲の広い海外などでは安全に車中泊できることが必須でしょうし、せっかくキャンピングカーでの車中泊のノウハウの蓄積があるならそれを活かせたらいいですね。

        • 町田 より:

          >木挽町さん、ようこそ
          キャンピングカービルダーさんの中には、キャンピングカー媒体ではほとんど宣伝しませんが、官公庁や特殊企業向けの特装車を手掛けることがけっこうあります。

          そのなかでも有名なのは、ヨコハマモーターセールスさんという会社ですね。
          この会社は、キャンピングカーとしては、現在は「レガードネオ」というキャブコンがメインですけど、その昔は、いすゞのロデオをベースにした「ロデオRV」や、いすゞエルフをベースにした「オックス」などのキャブコンを作っていました。

          このヨコハマモーターセールスという会社は、今はキャンピングカーよりも特装車の方が有名で、消防署関係から依頼を受けて消防車や水難救助車を作ったり、警察関係では移動指揮車、安全教育広報車。放送関係から仕事を依頼されて、マラソン中継車などをつくっています。

          ここも社長さんがこだわりのある技術屋さんなので、技術のしっかりした会社として信頼されています。

          そういう会社の特装車が、発展途上国の支援に活躍するのは、交際協力という面でとても喜ばしいことだと思います。
          ただ、価格が高いんじゃないのかな … ってな気もしますね。
          私企業を営む富裕層なら買えるかもしれないけれど、向こうの官公庁はどうなんだろうなぁ … 。
          そのへんのところはよく分かりませんけれど、このNTBさんなどが働きかければ、案外そっちのルートが開かれるかもしれませんね。
           

  4. より:

    ブログ移転に気づかず久しぶりにまとめ読みさせていただきました。

    SAKURAのレビュー、とても力が入っていますね。注目していた車なのでとても助かります。
    私も断熱&高効率エアコン&エネルギーのバランスが蒸し暑いアジア進出の基本だと思っていました。

    あとは外装デザインですね。ベース車のデザインがDucato等に比べ商用車然となるのは惜しいところです。衝突安全面でもキャブオーバーは不利かと。
    シェル部デザインについては欧州勢はバンクベッドを排しリアベッド+αが主流ですが、ファミリー層をカバーするとなるとデザイン性を損なわないプルダウンベッドなどのギミックが欲しいところです。
    ソーラーも屋根全面二重構造にしつつ三次曲面デザイン取り入れられたら理想と考えています。(現実は二次曲面パネルの組み合わせになると思いますが)

    などと12年目を迎える現行Zilの次のRVを妄想している日々です。

    • 町田 より:

      >雷さん、ようこそ
      ご無沙汰でした。お元気そうで何よりです。
      やはり、このSAKURAという車の「熱対策、高効率エアコン」というテーマは、あちこちで反響を呼んでいるようですね。個人的にも、いろいろと話を聞かれることが多いです。

      外装デザインは、フィット・デュカトなどと比べてしまうと、国産キャブコンはみな同じ問題を抱えてしまいますね。あれも商用トラックなのに、面構えはスポーツカーチックになってますからね。

      でも、日本人の中には、こういうキャブオーバー型のトラックフォルムを好まれる方も、実はけっこういらっしゃるようです。
      “トラック顔” が好きな人は、このエルフなんかのお面に精悍さを感じる人が多いみたいですね。「カムロードのお面はやわだ」っていうんだよね(笑)。

      バンクベッドを廃したロープロファイルボディは、空気抵抗や重心高を抑えるには有効かもしれませんけれど、ファミリーユースの多い日本では、まだ一般的に好まれるほどマーケットが熟していないような気もします。

      プルダウンベッドは面白いアイデアですね。
      そのうち日本でも普及してくるのではないでしょうか。なんと、それを軽キャンピングカーに導入しようとしているビルダーさんもあるくらいですから。
       

      • より:

        自分で書いていてなんですが、私もカムロードの顔は好きです。でも若手に聞くと受け入れられないんですよね。全くと言っていいほど。
        ハイエースで許容範囲、やはりDucatoやベンツのようなルックスが受けますね。

        • 町田 より:

          >雷さん、ようこそ
          カムロードのお面は悪くないですね。
          きれいにまとまっているように思います。
          ただ、多少見飽きた感じはしますね、あまりにも多すぎて … (笑)

          個人的には、キャブオーバー型トラックのお面となると、アトラスが好きですけどね。ワンボックスなら、キャラバンがカッコいいと思ってます。別に日産党ではないんですけど。
           

  5. mikiowing より:

    詳細なSAKURAのリポートをありがとうございます。
    キャブコンが欲しい。。。と思い色々な会社のキャブコンを調べているのですが、やはりカムロードベース車の右リアタイヤのバースト事例の多さを見ると、不安を禁じ得ません。
    ビーカムベースのSAKURAは、そういった面でも安心です。
    でも、なぜ日本のビルダーは、ほぼカムロードベースでキャブコンを製作しているんでしょうか。
    調べるほど、不思議に思います。

    • 町田 より:

      >mikiowing さん、ようこそ
      SAKURAの記事、多少古い情報になってしまいましたが、もし何かのお役に立つことがあったのなら、うれしい限りです。

      タイヤのバーストの問題は、積載荷重や重量配分の問題が非常に複雑に絡み、メーカーさんの取り組み姿勢によってもかなり変わってくるので、「カムロードだから危ない」ということも一概には言えないようです。
      ただ、ビーカムベースのエルフならば信頼性がそうとう向上することは間違いありませんね。

      カムロードが多く使われるのは、それだけ出荷台数も多いわけですから、トラブル対策の情報量も多いわけですね。だからメンテナンス性も含め、シャシーとしての安定性も一応はあるのです。
      ただ、ご存知だと思うのですが、同じカムロード車でもメーカーの設計思想によってだいぶ商品の個性は変わってきます。そのへんはやはりメーカーの開発者とひざを突き合わせてじっくり話を聞き出し、正確な判断を下さなければならないこともあるかもしれません。
       

      • mikiowing より:

        ありがとうございます。大変、参考になります。

        • 町田 より:

          >mikiowing さん、ようこそ
          どういたしまして !
          わざわざご丁寧な返信をいただき、かえって恐縮してしまいます。
          ありがとうございました。
           

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">