若者の心をつかむ“昭和の歌謡曲”

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 たまたま朝のワイドショーを観ていたら、小倉智昭さんがキャスターを務める『とくダネ !』(フジテレビ)で、「若者の心をつかむ “昭和の歌謡曲”」(真相チェイス)という特集をやっていた。


 
 最近の若者の中には、いまの流行歌に “深み” を感じられず、昭和の時代に流れていた歌謡曲を面白がって聞いている人が増えているそうだ。

 そういう若者の生の声として、“今ふう” のファッションで身を固めた子供たちが何人が登場し、街頭インタビューで答えていた。

 ある高校生ぐらいの女の子は、
 「今の歌って、歌詞がウソくさい。でも昔の歌って、歌詞が本音で書いてあるような気がする」
 という。

 また別の女の子は、
 「昔の方が、なんか情緒的な曲が多くって、雰囲気に浸れる」
 と答えていた。

 ちなみに、局で調べた「若者がお気に入りに選んだ昭和の曲」というのは、次のような曲であった。

 東京ブギウギ  笠置シヅ子 (昭和23年)
 明日があるさ  坂本九 (昭和38年)
 上を向いて歩こう  坂本九 (昭和40年) 
 空と海の輝きに向けて  荒井由実 (昭和47年)
 春一番  キャンディーズ (昭和50年)
 中央フリーウェイ 荒井由実 (昭和51年)
 ペッパー警部  ピンク・レディー (昭和52年)
 勝手にしやがれ  沢田研二 (昭和52年)
 わかれうた  中島みゆき (昭和53年)
 プレイバックpart2  山口百恵 (昭和53年)
 いい日旅立ち  山口百恵 (昭和53年)
 君は薔薇より美しい  布施明 (昭和54年)
 異邦人  久保田早紀 (昭和54年)
 SHADOW CITY  寺尾聡 (昭和55年)
 UFO  ピンク・レディー (昭和56年)
 ルビーの指輪  寺尾聡 (昭和56年)
 15の夜  尾崎豊 (昭和58年)
 つぐない  テレサ・テン (昭和59年)
 俺ら東京さ行ぐだ 吉幾三 (昭和59年)
 時の流れに身をまかせ  テレサ・テン (昭和61年)
 oneway generation  本田美奈子 (昭和62年)

 一番上に、笠置シヅ子の『東京ブギウギ』(昭和23年 1948年)が挙げられていたのはちょっと驚きであったが、この曲はジャニーズ系のタレントたちがカバーしていたり、CMでもカバーバージョンが出たりしているので、最近の若者たちも原曲に耳なじんでいるのかもしれない。

 それ以外は、昭和のヒット曲が順当に並んでいるという印象だった。
 ただ、“今の若者” が注目しているというこの昭和歌謡を、局側がどうやって調べたのか、少し興味がわく。

 上記のリストを、作曲家の宮川彬良(みやがわ・あきら)氏が分析していた。
 「非常に興味深い !」
 というのが、彼の第一声。
 半分くらいがマイナーキー(短調)の曲だという。

▼ 宮川彬良氏

 上記の曲のなかでは、
 「春一番」、「ペッパー警部」、「勝手にしやがれ」、「UFO」、
「わかれうた」、「プレイバックpart2」、「いい日旅立ち」、「異邦人」、「SHADOW CITY」、「ルビーの指輪」、「15の夜」、「つぐない」
 などがマイナーキーで作られているという。

 宮川はピアノの前に座り、『いい日旅立ち』を原曲通りマイナーキーで弾いた。
 それから同じメロディーを、次にメジャーキー(長調)で弾く。
 メジャーキーだと、確かに今風のサウンドになるが、原曲のムードはぶっ壊れで、曲としての体裁もとれないとか。

 こういうマイナーキーの曲を、今の若者はなぜ好むのようになってきたのか?
 「最近は、悲しいのはちょっとタブーよ」
 という風潮がある、と宮川は語る。
 
 「悲しいときは、元気の出る曲を歌って元気づけてやろうという空気にみんなが流されているけれど、それが逆効果になる場合もある。
 今は歌だけでなく、社会全体が負の部分を見せないような文化になってきている」

 「それに若い人は物足りなさを感じているのではないか?」
 というのが宮川の感想だ。

 すごくよく分かる意見だ。
 人が暗く落ち込んでいるときに、明るく元気なもので励ます、というのは万人に当てはまる公理ではない。
 鬱病(うつびょう)の人に、「頑張れ」という言葉が禁句であるように、落ち込んでいるときに “元気なもの” を押し付けられても、騒々しいだけだと思う人はいる。

 暗い気分は、ある種の暗さを持つ “文化” でないと癒せないときがある。
 そういう “心地よい暗さ” を、現代文明は忘れている。
  
 

カテゴリー: 音楽   パーマリンク

若者の心をつかむ“昭和の歌謡曲” への6件のコメント

  1. ようこ より:

    今晩わ~町田さん

    渡米する時に、どういうわけか友人が持たせてくれた
    『森進一の襟裳岬』、その時は冗談でしょと思っていたのに
    ある日聴いてみたら涙がボロボロこぼれとまりませんでした。

    昭和の歌謡曲ならぬR&Bです 笑)
    以前紹介したDaryls houseに、オージェイズが
    出ていました。往年のヒット曲のセッションをご覧下さい。

    こういうのをみると男どうしが羨ましくなります。
    https://www.youtube.com/watch?v=BzWRT-PAGQk

    • 町田 より:

      >ようこ さん、ようこそ
      昭和の曲の良さって、やはり歌詞のイメージ喚起力から来るものなのでしょうね。音楽評論家の近田春夫氏は、「今のJ ポップの作り手のなかで、昭和歌謡のような作詞能力を持っている人が現れたら、詞の世界で必ず頭を取れる」と言っていました。
      ただ、今のJ ポップにはもう「詞」というものが必要ないのかもしれませんね。

      Daryls houseの「O’Jays」。
      もう何もいうことがありません !

      3人とも若いね !
      私がはじめて “生オージェイズ” を見たのは、1972年。ロサンゼルスの「グリークシアター」で、ボビー・ウーマックとのジョイントコンサートでしたけれど、あの頃とほとんど変わっていない ! 
      声も若いというか、より野太さを増しているようですね。

      ありがとうございました。
      お気に入りに入れました。
      こういう動画は、ほんとうに元気が出るね。

      でも、「Backstabbers」は泣けた。
      ラジオでさんざん聞いて、ステップ覚えて、はじめて福生の「B・P」に行ったり、新宿のディスコで踊った時代。
      ウルウルでした。
       

  2. 木挽町 より:

    しびれました。昔も今もかっこいい。ありがとうございました。

    • 町田 より:

      >木挽町さん、ようこそ
      木挽町さんこそカッコいいですよ。
      一度、静岡のSOUL BARに行ってみたいな。
       

  3. 昭和歌謡のテレビ番組 より:

    突然失礼致します。
    昭和歌謡を特集するテレビ番組を制作している者ですが、現在番組にご協力頂ける昭和の歌手や曲にお詳しい方を探しておりまして、HP等で昭和の歌謡曲について掲載されてらっしゃる方にお声をかけさせて頂いております。
    もしご興味ございましたら、一度お話させて頂きたく、ご連絡頂けますと幸いです。
    何卒宜しくお願い申し上げます。

    • 町田 より:

      >昭和歌謡のテレビ番組 さん、ようこそ
      昭和歌謡も含め、音楽全般に関してまったくの素人ですが、それでもお声をかけていただいて、光栄です。
      個人メールの方で、携帯電話および個人メールアドレスなどを返信させていただきました。
      なにかありましたら、そちらの方にでもご連絡いただければ幸いです。
       

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