キャンピングカーも自動運転の時代が来るか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - キャンピングカーも自動運転の時代が来るか?
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed

   

 
 大変な時代になったものである。
 東京オリンピックが開催される2020年になると、ついに自動運転の自動車が市街地を走り始めるという。

 すでに、高速道路を自動で走行する車は、メルセデス・ベンツによって発売されている。
 高速道路の走行は市街地に比べ、運転に必要な情報量が少なくてすむ。そういう環境においては、自動化も簡単であるらしい。

 しかし、市街地になると、そうはいかない。
 至るところに信号がある。
 横断歩道を渡る歩行者のスピードもみな異なる。
 隣の車線を走る車との距離も、常に一定ではない。
 道路の左側には、ところどころに違法駐車車両。
 右折レーンを間違えた車が、元の車線に急に入り込んでくることもある。

 人間が運転する場合は、こういう細かい情報を目が捉え、脳に信号を送って判断を仰ぎ、手足が脳の指令を実行する。
 我々は慣れてしまえば、それを無意識にうちに行えるようになるのだが、考えてみれば、これは大変な作業を行っていることになる。

 こういう想像を絶する運転操作を機械が行ってしまう自動運転車の時代が、もうそこまで来ている。 
 先月テレビの『NHKスペシャル』で放映された「自動運転革命」によると、20年後には年間3,000万台を超える自動運転車が生産ラインに乗るようになり、4台に1台が自動運転車になるという。

▼ 自動運転車では手放し運転も可能

 なぜ、自動運転化がそんなに急ピッチで進められているのか。
 自動運転車になると、人間の判断ミスによる事故が激減し、交通も飛躍的に円滑化され、移動・物流においてスムースな交通社会が実現するからだという。
 
 手っ取り早い目標としては、高齢者や障害者の移動手段の確保。
 先進国ではのきなみ高齢社会が到来し、高齢ドライバーによる認知の遅れから来る事故も多発することが予測される。
 そういう場合、車の自動運転化が進めば、お年寄りが安心して医療機関や介護施設へ通うことも可能になる。

 いつの日にか、この自動運転車をベースにしたキャンピングカーが生まれるとしたら、それはどんなメリットを生むことになるのだろう。
 
 メルセデス・ベンツは、すでに市街地での自動運転を可能にするコンセプトカー(写真下)を発表している。

 それによると、自動運転モードに切り替わると同時にハンドルが格納され、運転席・助手席を反転させれば、車内がリビングのように変わるという。


 NHKの番組では、いかにもその車内レイアウトの変化が画期的であるかのように謳っていたが、運転席・助手席が反転する車など、キャンピングカーでは珍しくもない。
 つまり、自動運転車がベースとなったキャンピングカーが開発された場合、走行中に車内で食事をしたり、家族の団らんを楽しんだりすることが可能なのだ。
 


 
 もっとも、ドライバーが完全に運転から解放される “全自動運転” が実現するまでには、まだ少し時間がかかるという。
 先ほども言ったように、とてつもない情報量を必要とする市街地走行では、機械の精度は、まだまだ人間の判断力にまで至っていない。 

 自動運転の場合、人間の “目” に当たるのがカメラとセンサーである。
 それが周囲を認識し、その情報を人の “頭脳” に当たるソフトウエア(コンピューター)が分析する。
 その分析結果がハンドルやアクセル、ブレーキに伝わり、ようやく人の手や足と同じ操作が完了するのだが、問題は二つ。
 
 一つは、人間の “目” に当たるカメラとセンサーの精度をいかに上げていくか。
 もう一つは、カメラとセンサーが把握した情報を解析する “頭脳” 部分であるソフトウエアのデータ量を、どう確保するか。

 そういった作業の進行具合は、主に4段階に分けられるという。
 ハンドル、アクセル、ブレーキなどのいずれかを自動で操作できるのがレベル
1。すでに普及している自動ブレーキはこれに当たる。

 次に、複数の操作を自動で行うのがレベル2。
 ハンドルとアクセルを操作し、車線変更するケースがこれに当たる。

 そして、すべての操作を車が自動で行うのがレベル3。
 このレベル3まではドライバーの乗車が必要だとされる。

 さらに、そのドライバーすら不要になるのがレベル4。
 ここまで来て、はじめて “完全な自動運転” といえるようになり、いま世界中の自動車メーカーが開発を競っているのは、レベル2から3の間であるらしい。

 このような自動運転車の開発においては、従来の自動車メーカーではドイツ勢が一歩リードしているとか。
 ドイツの場合は、国が自動運転を産業開発の柱に置き、開発をバックアップしているからだ。
 そのおかげで、先ほどのベンツなどではレベル2の複数の操作を自動で行う車を市販したばかりか、前述したようにレベル4のコンセプトカー(写真下)さえ発表。
 アウディーなども時速200kmを超えるスピードで自動走行する車を実現している。


 
 NHKのテレビでは、国産メーカーとしては日産の例が紹介されていた。
 日産車も、2年前から20kmの一般道を走り切る自動運転のテスト走行を重ねており、4年後の発表に備えているという。
 同社は、特にカメラにおける画像認識に力を入れており、そのために、世界でトップレベルの技術を誇るイスラエルの「モービルアイ」社と提携した。

▼ 日産が開発している自動運転車

 イスラエルは、知る人ぞ知る軍事産業大国。
 現在は、無人爆撃機などの開発が注目されており、標的を認識するカメラ技術においては世界トップクラスといわれている。
 日産はそのイスラエルのカメラ技術を導入し、自動運転車の開発では、世界の自動車メーカーのトップに名乗りを上げる構えだ。

 しかし、ここに来て、自動運転技術の先端を行くのは、ひょっとして自動車メーカーとはまったく違う会社ではないのか、という見方も出てきている。
 それは、IT の巨人である「グーグル」である。
 グーグルは、得意とするビッグデータの解析や人工知能を武器に、自動車メーカーとはまったく違う角度から自動運転車にアプローチしてきている。

 なにしろ、データ収集力が自動車メーカーの比ではないのだ。
 グーグルの開発状況がどこまで進んでいるのか、にわかには明らかになっていないものの、少なくともデータ取りのために使っているテスト車両は50台以上。その走行距離はのべ300万km。なんと地球70周分を超えるテスト走行を重ねていることだけは分かっているという。

▼ 自動運転のデータ取りを行うグーグルのテスト車

 グーグルは、このような市街地・高速道路などあらゆる走行データを収集・解析し、いま完璧な自動運転システムを作りつつあるという。
 その完成を待って、グーグルは新しい自動運転車を世に問うてくるのだろうか?

 在米自動車評論家は、グーグルは車を作る気はないと推測している。
 それよりも、グーグルは「自動運転のプロバイダー(サービス供給者)を目指している」とか。
 つまり、自社で開発した自動運転のソフトウエアを全世界の自動車メーカーに販売するのだそうだ。


 
 「そうなると、自動運転の開発に遅れをとったメーカーは、積極的にグーグルのシステムを買うことになるだろう」
 と専門家(写真上)はいう。

 自動車の自動運転化は、われわれが思っている以上に早く進んでいくかもしれない。
 たぶん、乗用車に普及してしまえば、トランスポーターにまで及んでいくのは時間の問題だろう。
 そうなると、それをベースにした “自動運転キャンピングカー” も出現するはず。
 そういう時代になると、キャンピングカーは文字通り “動くリビング” になっていくだろう。
 
 

カテゴリー: campingcar, コラム&エッセイ   パーマリンク

キャンピングカーも自動運転の時代が来るか? への4件のコメント

  1. おかげんいかがですか?
    自動運転に関しては、おそらくパソコンのOSのように、どこが覇権を握るかの勝負で、GOOGLEは圧倒的に強いんじゃないでしょうか。
    おそらく、考えてもみなかったスピードで自動運転化は進むのかもしれません。テクノロジーの進化スピードは凄まじく、30年前ビル一必要だったスーパーコンピューターは今や名刺サイズです。

    • 町田 より:

      >わたなべたつお さん、ようこそ
      コメントありがとうございます。
      相変わらずの自宅療養を続けています。今月の中旬にはまた入院し、取り残されていた肺の血栓の再手術をする予定です。
      その結果を見て、今後の療法が決まるのでしょうけれど、まだまだこの先も酸素ボンベのお世話になるのかなぁ … 。
      ついに今年は一度も旅行に行きませんでした  く(“0″)> 

      で、自動運転。
      おっしゃるとおりですね。自動車の自動運転化への流れは、我々が予想するより早いかもしれませんね。
      なにしろ、自動運転システムの開発で、1日でも早く他社を出し抜けば、それだけ広大なマーケットに打って出られるようですから。どこの自動車メーカーも必死でしょうね。
      とにかく自動車メーカーにとっては未開拓な分野ですから、それこそ(ご指摘の通り)、グーグルが一気にシステム構築を牛耳るかもしれません。

      いずれにせよ、キャンピングカーが、この自動運転化の恩恵に浴することだけは間違いないことでしょうね。
       

  2. ZELDA より:

    初めまして。
    旧ブログの記事にコメントさせていただいたのですが、お引越しなさったとのことで、こちらにもコメントさせていただきました。
    下の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の記事ですが、コメントご返信いただけましたらと存じます。
    どうかよろしくお願い申し上げます。

    http://campingcar.shumilog.com/2012/07/01/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B9/

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">