ギャラクシーというキャンピングカーの思い出 第3回

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 ○月○日

 自分にとっては初めてのキャンピングカー「ギャラクシー」を購入するための情報を集めつつ、まず駐車場選びから始めた。

▼ ギャラクシーⅢ

 やっぱり家から少しで近いところに借りたい。
 家から100mのところに、わりと大きな駐車場があったのを思い出した。

 その駐車場を管理している精肉店に行って、「駐車場は空いていませんか?」と尋ねた。

 「ありますよ。いま空いてます」
 と気楽な返事が返ってきた。
 難関はそこからである。

 「駐車したいのは、トラックみたいに大きな車なんですけど … 」
 「え? トラック」
 精肉店のご主人の顔が曇る。

 「幅が2m10、長さが5m60 … 」
 「ちょっと無理だねぇ。何のトラックなの?」

 「あの … キャンピングカーなんです」
 「ああ、ダッジとか何とかいう … 。ああいうのは無理だなぁ」

 「2台分借りても無理でしょうか?」
 「2台といっても、隣り合ったところが空いていないからな。悪いねぇ … 」

 その後、自分の乗用車を停めている月極駐車場の管理者とも相談したけど、同じような返事だった。
 これは相当遠くの駐車場になるな … と覚悟した。

 が、“燈台もと暗し” とはこのことだ。

 実は、家からわずか50mのところに駐車場があることはあるのだ。
 ところが、そこは、車を入れるのが実に難しそうな場所だったのである。
 なにしろアプローチが狭い上に、登り口が急激な斜面になっている。
 しかも、その前が一方通行の道なので、バックで入れておかないと、出るときに出られない。

 一度乗用車が入るかどうか試してみようと思い、バックで乗り上げたところ、クルマが斜めに傾いて、まるで倒れそうな感じだったので、途中で諦めたことがあった。
 さらにいえば、スロープを上がるときに、タイヤが空転して斜面を登りきらない。キャンピングカーじゃなおさら無理だと思った。

 が、そんな所だから、借り手がなく、逆にいつまでたっても空いている。
 案外狙い目かもしれない。

 さっそく、当時ギャラクシーを販売していたグローバル国立展示場の田代さん(現TACOS社長)に連絡して、
 「一度、車を持ってきて、家の前の道路を曲がれるか、駐車場の斜面をよじ登れるかどうか試して頂くわけにはいきませんか?」
 と尋ねてみた。

▼ 出会った頃の田代氏

 「ああ、いいですよ」
 と二つ返事。
 田代さんの運転するギャラクシーが来ることになった。
 
 
○月○日

 「今、町田さんの家の近くまで来たんだけれど … 」
 田代さんから、携帯電話で連絡が入る。
 さっそく歩いて迎えに行く。
 田代さんは、家から200mぐらい離れた酒屋の前にギャラクシーを止めて、私が駐車場に案内するのを待っていた。

 はじめて町中で見るギャラクシー。
 デッケェ! 

 展示会の会場で見るのと違い、近所の狭い道で見るギャラクシーは海水浴場に紛れ込んできたクジラのように大きかった。
 これじゃ “大黒寿司クランク” を曲がれない!

 ところが田代さんが運転するギャラクシーは一回の切り返しで、私には至難のワザに思えた大黒寿司クランクをクリアしてしまった。

 次に、第2の難所の駐車場のスロープ。
 これも前から一回、バックから一回。
 扱い慣れた田代さんはスルスルと出し入れする。

 「そんなにきつい駐車場でもないですよ。普通のキャンピングカーなら腹をこすってしまうかもしれませんが、ギャラクシーは車高が高いから問題ないです。それに滑ったら4駆にすれば大丈夫です」
 とのこと。

 田代さんはもっと難しい駐車場のオーナーのところにたくさん納車しているという。

 なるほど。
 それじゃ …… ということで、田代さんが帰った後、さっそく駐車場の管理人のところに、借りられるかどうか確かめる電話を入れた。

 空いているという。
 しかも、当分借り手は現れないでしょうという話。

 そりゃそうだろう …、あんな普通の車が苦労する駐車場 … とは思いつつ、納車がいつか確かめて、あらためて契約しますということで電話を切った。

 さて、納車はいつか。
 田代さんに連絡すると「いま (5月頃)契約すると、納車は9月になるだろう」とのこと。
 「じゃ、契約をしましょう」と話がまとまった。
 
 
 ○月○日

 7月にはキャンピングカーが来る。駐車場問題にケリをつけなければいけない。
 会社の休みの日、駐車場を管理している不動産屋まで車を走らせた。

 幅の規定が1台分を超えてしまうので、どうしても2台分のスペースを借りる必要がある。

 不動産屋の説明によると、確かに5台止められるスペースのうち、2台分が空いているという。

 ただし、その2台分が隣り合っていない。
 真ん中に1台よけいな(失礼!)なクルマがある。

 「なんとかならないですかねぇ」と不動産屋さんにお願いすると、
 その社長さんが、さっそく駐車場の借り手と電話で交渉してくれることになった。

 「1台分だけ、北側に寄ってくれませんかね?」
 と、電話で借主に尋ねている。

 「いいよ」 … という返事らしい。
 「2台分が空きましたよ」と社長さんもニッコリ。

 料金は、1台分1万7,000円。
 「でも、2台分で2万円ということにしておきましょう」
 不動産屋の社長は、そういってくれた。
 「結構です。では借りることにいたします」

 すぐサイン。
 2台分借りても、乗用車を止めている駐車場の1台分より、さらに1万円も安かった。

 駐車場が決まったので、グローバル国立営業所に行って、見積りを立ててもらうことにした。
 まず、オプションの検討に入った。

 バックアイモニター。…… これは絶対いるだろう。
 オーニング … いる。
 ルーフボックスがあると便利だという話もきいた。汚れた椅子・テーブルなどをそのまま放り込めるから撤収が楽だという。
 じゃ付けたよう … 。
 そうなるとラダーもいる。
 オーディオは絶対いる。

 さて、ルーフエアコン、電子レンジ、テレビ&ビデオなどという贅沢装備はどうする?

 ルーフエアコン、電子レンジなどが入ってくると、当然電力確保の意味からジェネレーターも必要となってくる。
 そのときまでに挙げた装備類を、一度まとめてもらった。

 フロントエアコン   17万1,000円
 リヤモニターカメラ 13万5,000円
 電子レンジ       2万5,000円
 ジェネレーター   42万0,000円
 ルーフエアコン   10万8,000円
 サイドオーニング  14万8,000円
 リヤラダー       3万0,000円
 オーディオ       8万2,000円
 ルーフボックス    9万8,000円

 これを全部足すと…121万7,400円という値段になった。

 ええい、もう行っちまえ! 

 …… で、付けることにした。

 あくまでも勉強のためのキャンピングカーなのである。
 これらの装備がどれだけ必要なのか、あるいは不必要なのか。
 使ってみなければ分からない … というので、思い切ってフル装備にした。

 結論をいうと、このときの経験は、2台目のキャンピングカーを買うときに、大いに参考になった。
 
 まず、温水シャワー機能はいるのか、いらないのか?
 これの優先順位はそうとう低い。
 温泉施設が普及している日本では、シャワーはまず使うことがない。
 水量が少ないので、頭を十分に洗うこともできない。
 結局、この車に10年ほど乗って、シャワーを使ったのは2回だけであった。

 ただ、シャワー室(たいていトイレ室を兼ねる)という “空間” は便利である。
 縦長収納庫として使えるし、何よりも “逃避空間” としていい。
 
 たとえば夫婦の2人旅。
 いくら仲の良い夫婦といえども、同じ空間で寝泊まりする日数が2週間を超えると、さすがに息が詰まることもある。 

 そんなとき、四方を仕切られた独立した空間があると、お互いにホッと一息つけるのだ。

 別に、その “個室” に閉じこもらなくてもいい。
 いざとなれば、同乗者の視線から逃れるスペースが車内にあるというだけで、心が軽くなるのだ。

 だから、バンコンに比べてキャブコンのメリット があるとしたら、室内が広いとか、封入される断熱材の量が違うとか、収納スペースが多いとか、そんなことではなく、バンコンより室内に “死角” が多いということだ。
 要するに、首を回して室内を見渡したときに、視界から隠れてしまうスペース。
 扉で仕切られたマルチルームとか、カーテンで仕切られたバンクベッド、あるいはカーテンで仕切られたリヤ2段ベッド。
 このような、カムフラージュすると「視覚」が見逃してしまうような「死角」を持っていることが、長期旅行の場合は心理的な居住性を約束する。

 しかし、そんなことが分ってくるのは、2週間以上あちこち旅する経験が増えてからのことであった。
 とにかく、最初は室内レイアウトが与える心理的な効果よりも、装備の機能や使い勝手の方にしか意識が回らなかった。
 そのため、予算の許す限り、無邪気に装備品を付けまくった。

 ただ、装備類というのは、けっきょく耐荷重との相談になる。
 この時代、ルーフエアコンとジェネレーターというのが、重量のかさばる装備類の代表選手だった。
 この二つは、それなりに対荷重の高いシャシーが約束されていなければ、車そのものの運動性能を損ねるし、タイヤや車軸に対する負担も増大する。

 今から思うと、たいへんな重装備であった。
 オーナン2.8kWを床下に積み、ルーフにはコールマンのエアコンを載せ、キャンプ道具から何から一切ぶち込んだルーフボックスをその横に並べ、(時には100kgの水タンクを満タンにし) さらに5kgLPボンベ一本と、そのリザーブタンクも用意して載せていた。

 つまり、200馬力以上あるアメ車並みの装備を、わずか91馬力のシャシーが担うことになったのだ。

 今だったら、とてもこれほどの装備を載せる気はしない。
 だから、2台目のキャンピングカーでは、エアコンもジェネレーターも注文しなかった。
 今のような、軽量かつ省エネタイプの家庭用ルームエアコンが普及していれば別だったが、当時は外国製のモーターホーム専用車載エアコンしかなく、しかもジェネレーターとセットにならざるを得ないため高価になり、しかも重量が増えた。

 それでも2台目のキャンピングカーでは、途中から、「夏の暑さ」を我慢できないカミさんのため、キャンプ場のAC電源でも回るような小型・軽量のエアコンを後付けした。
 アメリカのクラスBモーターホームなどのリヤドアの上側に取り付けるタイプのものである。
 これは、なかなか便利だったが、結果的にあまり使っていない。

 だから、今のキャンピングカーになってからは、夏の旅行は、なるたけ涼しいキャンプ場を選び、窓を全開して風を入れるようにしている。
 それでも暑いときは、ルーフベントを回して屋根から風を入れるか、小さな扇風機を回す。
 それだけで、なんとかなるものだ。

 また、ルーフの上にトップボックスを載せるのもやめた。
 ギャラクシーのときは、椅子・テーブルから始まって、一切合切のキャンプ道具を屋根に載せていたが、当然、重心高が高くなり、安定性にも支障が出てしまう。

 だから、荷物をたくさん持っていく旅行を見直して、ボディー脇の収納庫に入るだけの荷物に絞ることにした。

 これは、子供がキャンプ旅行を卒業して、夫婦2人かもしくは単独旅行の機会が増えたから可能になったことでもあるが、「荷物の少ない旅行」を心がけるようになって、車の運動性能も向上し、かつ心も軽くなったように思う。

 しかし、まだ1台目のキャンピングカーを買うときには、そんなことまで分からない。
 そのため、フル装備になって、価格も一気にアップした。

 車両本体価格は478万円だったが、プラスのオプション類が121万円。
 それに税金、登録諸経費など加えると、乗り出しで620万円になってしまった。

 「ちょっとオプションが増えすぎて、高くなっちゃいましたねぇ」
 と、田代さんの方が多少困惑気味。
 決まり悪そうな顔である。

 申し訳ない … という気分と、 “そんなに付けても使うことないだろうに … ” という哀れみの気分が混じったような表情だ。

 まぁ、いいわい。

 とにかくローンを組んじまえということで、支払いの方法を田代さんと相談した。
 頭金370万9,142円。
 後は、月々8万9,900円の20回均等払い。(初回だけ9万0,100円)

 話はどんどん進行して、登録の話までいった。
 登録するために車庫証明を取ってくれという。
 今まで乗用車を4台乗り継いできたが、そんなことはしたことがない。

 …… なるほどキャンピングカーというのは乗用車と違うもんだと思った。
 ドゥ・イット・ユアセルフ。

 車庫証明の取得が、Do It Youa Self かどうか分からないけれど、痒いところに手が届くように何でもしてくれる乗用車ディーラーとは、やはり違うみたいである。

 「車庫証明に必要な書類」というインフォメーションが製造本社から送られてきた。

 ① 自動車保管場所証明書
 ② 自動車保管場所使用承諾証明書
 ③ 自動車保管場所の見取り図並びに配置図
 ④ 土地(駐車場)の評価証明書
 … がいるという。
 初体験だったので、何のことかさっぱり分からなかった。

 ④の土地の評価証明書というのは市役所で発行してくれるというので、とにかく市役所に行ってみた。

 受け付けで聞くと固定資産税の係りのところにいけばいいという。
 そこで駐車場の地番(これが住所の何丁目何番地と違う)を聞いて書類に書き込み、とにかく発行してもらった。

 それを持って警察署に行った。
 警察署には「車庫証明発行受け付け」みたいなコーナーがあって、そこに行って「自動車保管場所証明申請書」なる用紙をもらった。

 「車名」「型式」「車体番号」「自動車の大きさ」を書き込むようになっている。

 郵送されたインフォメーションによると、
 「車名=トヨタ」
 「型式=S-LN106改」
 「車体番号=LN106-0100669」
 「自動車の大きさ = 長さ565センチメートル/幅211センチメートル/高さ315センチメートル」
 … ということだったので、それを書き込んで渡した。

 これで①の「自動車保管場所証明書」はクリアした。

 ②の自動車保管場所使用承諾証明書というのは、土地の評価証明書でいいみたいだった。
 ③の自動車保管場所見取り図並びに配置図というのは、地図を画く用紙に駐車場の位置と自宅の位置をかき込めばよかった。

 配置図は、駐車場の契約書にクルマを収める位置が図表化されていたので、それのコピーを渡してことなきを得た。
 手数料として2,000円払えば、1週間後に車庫証明が交付されるとのことだった。

 1週間経って「自動車保管場所証明書」なるものが発行された。
 「94※※※※※30」 という番号で、それが「保管場所標章」とのことだった。

 イヒヒ … である。
 オーナーになる日が近づいてきたのだ。
 
 (続く)
 
 

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