レンタルキャンピングカー「マクレント」

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2017年は日本のレンタルキャンピングカー元年
  
 日本のキャンピングカー文化が大きく変わろうとしている。
 2017年という年は、後世そう記憶されるような年になるのではないか。

 2月初旬に幕張で開かれた『ジャパンキャンピングカーショー』では、車両開発においても、そしてインフラ整備においても、日本のキャンピングカーライフというものが大きく変化していくことを感じさせるたくさんの “兆候” が噴き出していた。

 その変化はよく観察しないと分からない。
 特に車両開発の部分では、一見、何も新しいものがなかったようにも見える。例年2月のショーをにぎわせていた、“あっと驚くような新車” というものがほとんど登場していなかったからだ。

 しかし、奇をてらった印象を伴う新型車・新機構が影を潜めた代わりに、目を凝らしていくと、どの車も、使い勝手の追求や装備類の精度アップ、さらにデザインの洗練度などにおいて驚くほどの進化を見せていた。
 個々の車両については、今後少しずつ紹介していくことになると思うが、今回はキャンピングカーそのものではなく、2017年度のキャンピングカーを使う環境面の劇的進化の一例を紹介したい。

 それは、レンタルキャンピングカー。

 今回のショーを特徴づけた大きな要素のひとつに、キャンピングカーをレンタルすることで広がる新しいキャンピングカーライフを提案する動きが、かつてないほどの活気を見せたことが挙げられる。

 イベントステージとフードコートが設置された館では、その半分がレンタルキャンピングカーを案内する業者のブースで占められていたし、その館外の駐車場では、実際に稼働しているレンタル車を並べた試乗会も催されていた。

▼ 「ジャパンキャンピングカーショー2017」でレンタルキャンピングカーのブースが集まった一角

▼ レンタルキャンピングカーでは、ペット同伴の旅行も可能なキャンピングカーを貸し出す業者の登場

 それらのレンタル事業を個々に紹介する記事も少しずつこのブログに取り上げていくつもりだが、ここではその初弾として、ヨーロッパのレンタルキャンピングカー会社「マクレント」の日本進出の情報をお伝えしたい。
 
 
欧州最大手レンタルモーターホーム会社「マクレント」
 
 「マクレント(McRent)」とは、2004年にドイツでスタートしてレンタルモーターホーム会社である。
 当初は8ステーション約360台のレンタル車で事業を始めたが、10年ほどのの間に大発展を遂げ、2016年には、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、オランダ、スペイン、ポルトガル、エストニア、フィンランド、アイルランド、アイスランド、ノルウェー、ポーランド、スウェーデンなど15ヵ国の68ステーションの拠点を構築する欧州最大手のレンタルキャンピングカー会社に成長した。

 そして、この2017年1月にはついにアメリカへ進出。
 さらに、この2月からは、日本でもレンタル事業が開始されることになった。
 
 実は、この「マクレント」の日本進出を日本のキャンピングカー産業が発展するための起爆剤にしようと考えている人がいる。
 このたび「マクレントジャパン株式会社」を立ち上げ、その会長として就任した高橋宣行氏(かーいんてりあ高橋社長)である。

▼ マクレントジャパン(株) 高橋会長

 氏は、レンタルキャンピングカー事業が日本のキャンピングカー文化に新しい血を流入させ、日本人のキャンピングカーライフを劇的に変えるものだという確信を持っている。
 幕張ショーの会場で、その高橋氏に、レンタルキャンピングカー事業にかける熱意のほどをうかがった。

▼ マクレントジャパンがリリースするレンタルキャンピングカー車のモデル(業者向け)

  
…………………………………………………………………………
キャンピングカーは「買う」から「借りる」の時代へ

【町田】 レンタルキャンピングカー事業を始めようとした動機は、どこにあったのですか?

【マクレントジャパン 高橋】 欧米のキャンピングカーの普及率というのは、日本に比べてものすごく高いわけですが、そこで稼働しているキャンピングカーの3割は、実はレンタルキャンピングカーなんですね。
 それに対し、日本では10万台弱といわれるキャンピングカー保有率のなかで、レンタルキャンピングカーの占める台数はやっと1,000台に届くか届かないかといったところです。
 つまり、日本は、レンタルの分野でまったく遅れをとっていると思ったことが、この事業を始めようと思った動機の一つです。

【町田】 高橋さんはキャンピングカービルダーとして、個々のエンドユーザーに供給される完成車を納品されているわけですよね。そういう従来から続けてこられた事業と、新しいレンタルキャンピングカー事業は、今後どういう連携を保っていくのでしょうか?

【高橋】 おそらく、その両者が上手に組み合わされることによって、われわれキャンピングカー業界の成長がより加速するのではないでしょうか。
 というのはですね、キャンピングカー業界というのは、確かに毎年右肩上がりで成長してきました。
 しかし、その伸び率は正直にいって、まさに “微増” という言葉でしか表現できないほどゆるやかなものなんですね。
 むしろ、私は飽和状態に近づいてきているんではないかという懸念すら持っています。
 たとえば、このショー(「ジャパンキャンピングカーショー2017」)でも、ご覧のとおりたくさんの見学者がいらっしゃるわけですが、こういうショーで実際に車を購入される方々というのは、いつも全体の1~2%程度。
 つまり、現状のままでは、キャンピングカーを購入される層はもう頭打ちになりつつあるのではないかと思っているんです。

【町田】 そういう状況を、レンタルキャンピングカー事業が打破していくと?

【高橋】 そうです。これまでのように、ビルダーとして完成車を売り続けていくことには限界があると。
 たとえばね、私はショーの開催中、休憩所などに行って、休んでいらっしゃるご夫婦の話などをそれとなく聞いているんですよ(笑)。
 すると、旦那さんはけっこう車を買う意欲が旺盛でも、必ず奥さんがこういうのね、「あなたね、こんな高い車を買ったって、年に何回乗ると思うのよ」って。

【町田】 なるほど。奥様というのは一般的に消費行動において慎重ですからね。
【高橋】 でも面白いのはね、キャンピングカーの購入に消極的な奥さんが必ずいう一言があるんです。それは、「使いたいときだけ借りることはできないの?」(笑)。

【町田】 はぁはぁ、そこに “勝機” があると !

【高橋】 そうなんです。テレビや新聞などのメディアを通じて、キャンピングカーの露出度が飛躍的に高まってきているために、興味を持つ人々は確実に増えている。
 ただ、まだ経済状況が先行き不透明なため、みな購入までに踏み切れないんですよ。
 だったら、まずレンタルキャンピングカーを利用することで、キャンピングカーライフの楽しさや面白さを実感してもらおうと考えたんです。そういう経験を積んで、もし奥様もキャンピングカー旅行を気に入られたなら、それこそ夫婦ともども気持ちよく購入に踏み切ってくれるのではないか、と。
 
 
海外のレンタル事業者がアドバンテージを持つ理由

【町田】 「マクレント」という海外のレンタルキャンピングカー会社と提携された理由は何ですか?

【高橋】 ひとつはインバウンドのお客様も考えたからですね。日本人の間にレンタルキャンピングカーという存在が認知されたとしても、それだけでは、稼働率の飛躍的向上は期待できない。
 なぜなら、日本人の休暇状況を考えると、盆・暮れ・正月・ゴールデンウィークに休みが集中するけれど、それ以外はまとまった休みが取れない。そうなると、休みの日以外にはレンタルキャンピングカーが稼働することもない。

▼ 「マクレント」のヨーロッパの拠点

【町田】 その点、外国人観光客は、日本の休暇システムには縛られないと?

【高橋】 そうです。彼らは夏・冬関係なく、日本を訪れてくれる。しかも、欧米などの観光客はキャンピングカーの扱いに慣れている。外国人が日本でキャンピングカーを借りる場合、比較的長期になるというデータがすでにあります。
 逆にいうと、インバウンドのお客様を取り込まないかぎり、このレンタル事業の大きな成長は期待できないと思います。

【町田】 なるほど。そのためには「マクレント」のようなワールドワイドでレンタル業を行っている業者さんのノウハウを採り入れた方がいいと?

【高橋】 そのとおりです。実際に海外のお客様を相手にする場合、たとえば英語表記の案内書や説明書を適宜用意しなければならない。そういう事業に慣れない私たちが、それを一から始めるのはけっこう大変なんです。
 しかし、外国のレンタル事業者なら、英語、フランス語、イタリア語などのさまざまな言語に分かれたパンフレット類の制作・配布にも慣れているし、レンタル車の使い勝手を説明する英語の動画のようなものもふんだんに準備している。
 さらに、日本の観光を計画している外国人に、「日本に行けばマクレントの支社があります」という形で大々的にアナウンスしてくれる。これが大きいと思います。

▼ マクレントジャパンのレンタルキャンピングカー専用車の内装

 
 
外国人に日本のレンタルキャンピングカーをどう説明するか?

【町田】 なるほど。海外の事業者と提携すると、実にさまざまなメリットがあるわけですね。
 ただ、日本の交通システムや交通ルール、またキャンピングカー泊を受け入てくれるインフラ面などで、外国と日本ではかなりの違いがあります。そのことに戸惑う外国人利用者もいると思うのですが、それに対する対応は?

【高橋】 まず、英語のビデオを作ります。そこに日本でキャンピングカーを使うときのノウハウを収録する。それを「マクレント」のネットワークを通じて、日本でレンタルキャンピングカーを使う計画を練っている人たちに事前に見てもらう。
 また、日本に来られた方々には、使い勝手を説明した動画をレンタル車に搭載してあるDVDプレイヤーで確認してもらうようにします。

【町田】 その場合、実際にレンタルキャンピングカーとして供用する車両はどのようなものになるのですか? 欧米の人向けの輸入車になるのですか? それとも国産のキャブコンとかバンコン?

【高橋】 そこがこのビジネスの要(かなめ)になるところなんですが、ずばり国産車をメインに回していくつもりです。
 しかし、これまで出回っている国産車とはまったく違うものが必要になると考えています。

【町田】 それはどんな車両なんですか?

【高橋】 実は、すでにそういう車両として案内できるプロトタイプのモデルが完成しています。
 それに関しては、「マクレントジャパン」の共同経営者であり、実際にレンタル用車両の開発を担当されたM・Y・S ミスティックの佐藤正社長が説明されるのがいいかもしれませんね。
 
 
レンタルキャンピングカー専用モデルの特徴
 
▼ MYS ミスティック 佐藤社長

 
【町田】 というわけで、「マクレントジャパン」が提案するレンタルキャンピングカー用モデルについて、少しお話をうかがいたいのですが。
【佐藤】 はい。
【町田】 まず、このモデルは、一般客が自家用車として購入したいと希望すれば買えるものなんですか?
【佐藤】 いや、今のところ個人に販売する予定はないです。あくまでも、これは「マクレントジャパン」が貸し出すレンタルキャンピングカー専用モデルです。
 
▼ マクレント専用車外形

【町田】 エンドユーザー向けに製作するキャンピングカーと、このようなレンタル用キャンピングカーでは、内容的にどこが違うのでしょう?

【佐藤】 最大の違いは、“規格” がバラバラか、それとも統一されているかということですね。
 つまり、エンドユーザー向けのキャンピングカーなら、そのお客様の要望に応じた自在なレイアウト、装備類が許されるわけですが、レンタルキャンピングカーの場合は、なるべく同じレイアウト、同じ装備類で統一されていた方がいろいろと便利なんです。

【町田】 どういうふうに便利なのでしょう?

【佐藤】 まず、お客様の立場から考えると、いろいろな場所でいろいろな会社の車を借りても、使い勝手がみな同じなら安心して使えますよね。
 車が変わると慣れるまでに時間がかかりますが、同じ車なら慣れるまでの苦労がなくなる。だから、楽しむ時間が増える。
 いっぽう、扱う側からすれば、同一規格の車ならば、マニュアルを統一化できますので、トラブルがあっても、どの部分が原因となったトラブルかすぐ分かる。パーツを用意するのも楽。
 そういうメンテナンス性・サービス性の効率化を図る上で、車両の規格が統一されていた方が断然いいんですね。
 
 
構造をシンプルにしてサービス性を向上させる

【町田】 よく分かります。… では、どういう特徴のある車なのか、簡単にご説明いただけますか。

【佐藤】 つくりは全体的にシンプルです。まず外壁はうち(M・Y・S ミスティック)が作り慣れているアルミのサイディングです。FRPキャビンを架装するという手法もあるのですが、アルミの方が部分補正しやすい。仮にどこかにぶつけても、その部分だけ取り外して修正し、また貼ればいいだけですから。
 
【町田】 ベース車にライトエーストラックを選んだ理由は?

【佐藤】 やはりキャブコンにした場合、日本の道路事情や駐車場事情を考えて、コンパクトな仕上がりを維持できるということが大きかったですね。
 これなら、全幅約1.9m、全長4.8m。まずどんな道にも入っていけるし、どんな駐車場でも停められるでしょう。
 それに、万が一転倒した場合でもフレームがありますから、車体の損傷をある程度防いで原型を保つことができると思っています。
 
【町田】 走りはどうなんでしょう?

【佐藤】 高速道路で100km巡航するならばまったくのストレスはないです。しかし、それ以上のスピード … たとえば120km以上になると「ちょっと怖い」と感じる程度のセッティングにしてあります。そうしないと、キャンピングカーの運転に慣れていない人にはかえって危険。そういう基準で足回りを組んでいます。
 
【町田】 内装の特徴を。

【佐藤】 内装もいたってシンプル。装備としては、バンクベッド、冷蔵庫、シンク、電子レンジ、FFヒーターといったところですね。、
 レンタルキャンピングカーは、キャンピングカーに慣れていない人が使うので、よく壊されるという話が多いんですね。そこで、壁や床も傷つきにくい部材を使い、壊れた場合でも簡単に補修できるようにしてあります。
 電気設備なども極力簡単にしてあるし、ヒューズの位置や配線などもメンテしやすいように分かりやすい場所に配置しています。

▼ 室内全景

このままではレンタル用キャンピングカーがすぐに足りなくなる

【町田】 この先は会長の高橋さんにおうかがいした方がいいのかもしれませんが、現在、「マクレントジャパン」の代理店さんを募集されていらっしゃいますが、その場合、代理店契約を結ばれた業者さんには、みなこの車両を買ってもらうということになるんですか?

▼ 高橋会長

【高橋】 いえいえ、そういうことはまったくないです。ここに用意した車両は一つのサンプルにすぎません。あくまでも、「レンタルキャンピングカー用車両として一番使い勝手がいいスタイルです」という提案材料の一つとして考えてもらえばいいです。
 だから、代理店になられた方は、それぞれご自分のお店の方針に適した車両をご用意いただいてもまったくかまわないわけです。
 ただ、その場合も、できれば規格だけは統一してほしいというのが希望なんですね。ベース車やグレードは異なっていても、統一マニュアルが使えるように、レイアウト、装備品、配線系統などは統一してほしい。その方が製造やメンテナンスの効率が飛躍的にアップしますから。

▼ キッチン周り

【町田】 確かに、そのとおりですね。でも統一規格を実現するというのは、現状ではなかなか難しそうですね。

【高橋】 でも、そこをクリアできるかどうかが、今後のレンタルキャンピングカー事業が発展するかどうかのカギになると思います。
 けっきょく、レンタルキャンピングカー業界が抱える最大の問題は、この事業が拡大していったときに、レンタル用の車両が圧倒的に足りなくなるということなんですね。
 この状態で推移していくと、もうすぐにでも “タマ不足” がはっきり見えてくると思います。

【町田】 そうなった場合、他のレンタル業者さんも困ることになりそうですね。

【高橋】 そうなんです。だから、今のうちに各ビルダーさんにレンタル用キャンピングカーの製作をお願いしたいんですよ。
 そして「マクレント」の趣旨にご賛同いただける業車さんの中で、製造能力を持っている企業さんには、ぜひとも統一規格のレンタル用キャンピングカーを製作してほしい。
 たぶん、キャンピングカーのレンタル事業がこの調子で推移していけば、500台1,000台という車両がすぐにでも必要になってくるでしょう。
 しかし、今のわれわれのようなビルダーの生産能力では1社がすぐに500台用意するなどとても無理な話なんです。
 でも、ビルダー1社がそれぞれの生産能力に応じて、プラス2台とかプラス3台増産していくのなら可能なんです。
 たとえば、国産ビルダー100社が5台ずつキャンピングカー専用モデルを作るとしましょうか。そうなると、あっというまに500台そろう。
 そういうことが実現して、はじめて国内のレンタルキャンピングカー事業の未来が開けてくるでしょう。
 そして、そういう事業が着実に進展していけば、日本のキャンピングカー産業全体が飛躍していくと思います。

マクレントジャパン専用モデル 詳細

【ベース車】 トヨタ ライトエーストラック
【排気量】 1.500cc
【最高出力】 97ps
【燃料】 ガソリン
【駆動方式】 2WD FR
【ミッション】 4AT
【乗車定員】 6名
【就寝定員】 6名
【全長×全幅×全高】 4,800×1,890×2,700mm
【主要装備】 収納庫/ルーフベンチレーター/遮光カーテン/給水タンク(19㍑)/排水タンク(19㍑)/電子レンジ/外部電源/サブバッテリー(105Ah×2)/コンバーター(100V → 12V)/インバーター(2.0kW)/冷蔵庫(40㍑)/FFヒーター(ベバスト)/ステンレスシンク/LED照明(4ヶ所)/走行充電/スライド式バンクベッド他
 
 

カテゴリー: campingcar   パーマリンク

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