大木トオル筑波大学セラピードッグ講演

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 2017年 5月26日金曜日、筑波大学(茨城県つくば市)にて、ブルースシンガーであり、国際セラピードッグ協会代表である大木トオル氏が、『共に生きる~セラピードッグに生まれ変わる犬たち』という講演を行った。

▼ 講演会ポスター

 
 
 これは、「自然との共生」をテーマに研究を進めている筑波大学の白川直樹准教授(システム情報系構造エネルギー工学)の研究室が、セラピードッグを通じて “犬との共生” をテーマに活動している大木トオル氏の動物愛護の精神に共感し、白川ゼミの研究テーマの一環として主催したもの。

▼ 講演会の会場となった筑波大学のキャンパス

 そもそもこの講演の開催には、同大学の白川ゼミと、九州長崎のキャンピングカービルダー「カスタムプロホワイト」の池田健一氏との交流が背景にある。
 池田氏は、キャンピングカー製作・販売を進める一方、地元長崎で河川の研究を推進し、アユの生息などの実態調査で多大な実績を収めていた。

 その池田氏の活動に注目した筑波大の白川ゼミが、池田氏指導のもとにゼミ生が水中におけるシュノーケルの扱い方などを池田氏から学ぶという形で、長年の交流を深めてきた。

▼ 当日、池田氏指導のもとに、筑波大学の室内プールで開かれたシュノーケル教室

 一方、池田氏と大木トオル氏の交流は、池田氏がネットで連載しているエッセイ『答は風の中』から生まれた。
 同エッセイの31回「ドッグカフェにはブルースを」において、氏はテレビで大木トオル氏が歌うブルースの魅力に感服。さらに大木氏が進めているセラピードッグの啓蒙・普及活動にも共感。

 そのことを綴った池田氏の記事を、たまたま大木トオル事務所のスタッフが閲覧。それがきっかけで池田氏と大木氏との接点が生まれることになった。

▼ 大木トオル氏(左)と池田健一氏(右)

 それぞれ立場の違う者同士が、池田氏を軸に連絡を取り合ううちに、各自が “自然と人間のコミュニケーションの可能性探る” という共通のテーマを確認。
 こうして、大木トオル氏、筑波大学の白川ゼミ、キャンピングカービルダー池田氏との3者のコラボによる講演の開催が決定することになった。

 講演に先立ち、池田氏がまず演壇に立ち、
 「人間が自然と交流するには、人間もまた新しいコミュニケーションの形を身に付けなければならず、それには、SNSやネットというデジタルなシステムを使ったコミュニケーションだけではなく、人の無言の息遣いやアイコンタクトといった言語化できない領域における意思疎通の仕方を学ぶことも大事である」
 と挨拶。

 続いて、池田氏と長年の親交を持つキャンピングカーライターの町田厚成が壇上に立ち、次のように語った。
 「コミュニケーションには、それまでの自分の常識では理解できないものと出合うという意味もある。人間の脳細胞は日々新陳代謝を繰り返し、常に新しい刺激を求めている。そういう意味で、人間は昨日までの情報では満足できない動物であり、新しい刺激による “混乱” を楽しむようなところがある。だから、相手と出会って、時に混乱したり、時に困惑するような情報交換があっても、それもコミュニケーションの一環として、恐れずに、嫌がらずに楽しんでほしい」

 両氏の簡単な挨拶が行われたあと、いよいよ当日のメインゲストである大木トオル氏が登場。
 ご自身の生い立ちにおける犬との交流の話から始まり、セラピードッグという存在が社会のなかでどういう役割を背負っているのか、さらにペットブームやペット業界の繁栄の影に、密かに殺されていくペットたちの悲惨な実情を報告し、人とペットの真の共存をテーマに、約1時間にわたって熱弁を振るわれた。

▼ セラピードッグの役割を説明する大木トオル氏

 
 大木氏が力説したのは、人間の医療や介護の現場において、「犬」が非常に重要な役割を果たすということだった。
 特に、精神医療の段階で、犬が人間の情緒を安定させ、精神疾患による障害を緩和し、機能障害の回復を実現するという実例が数多く報告された。

 そのような実例のなかで、特に目立った効果を上げているのが、高齢者の認知症や脳梗塞の後遺症からの回復。
 重度の認知症患者や脳梗塞を罹患した人が、犬との共生を経験するうちに、次第に肉体的・精神的機能を回復していく様子を、大木氏はスクリーンを通じて数々の画像を展開しながら、解説した。

▼ 大木トオル氏

 このように、人間の医療的介護を目的に専門に訓練された犬を「セラピードッグ」といい、アメリカでは古くから、このセラピードッグを介した医療システムが確立されていたという。

 しかし、日本では、それまでそのような医療的介護を目指した犬の教育法などがまったく確立されておらず、音楽活動のために渡米した大木氏が、現地でたまたまセラピードッグが活躍する現場に接し、大木氏を通じて、ようやく日本にもその存在が知られるようになった。

 このセラピードッグの存在が日本全国に知れわたるようになったのは、大木氏がゴミ箱に捨てられてきた子犬を拾い、「チロリ」と名付けて、それをセラピードッグとして育てたというエピソードが波及したからである。

▼ 大木氏が書かれたチロリの本

 チロリはすでにこの世にはいないが、その生前の活躍ぶりが子供の教科書でも紹介されるようになり、渋谷の「忠犬ハチ公」、南極の「タロー・ジロー」、そして銀座の「名犬チロリ」として “日本の三大名犬” に認知され、セラピードッグの象徴的存在として人気を誇るまでとなった。

 しかし、セラピードッグの社会的認知が進んできた一方で、日本にはまだ捨て犬たちが待ち受ける悲惨な状況が横たわったままだと、大木は訴える。
 それが捨て犬(& 捨て猫)の「殺処分」。

 現在、日本は空前のペットブームに沸いているが、その華やかな話題の裏側では、毎年10万頭近くの犬(& 猫)がガス室に送られて苦しみながら死んでいるという。
 かつては65万頭にも及ぶ捨て犬・捨て猫が殺処分という残酷な運命にさらされていた。

 その後、動物愛護法が成立し、殺処分されるペットの数は一時期の5分の1までに減少したが、それでもこの法の順守が徹底されることはなく、相変わらず、飼い主に捨てられた年間10万頭の犬たちが、捕獲後5日の猶予をもらっただけでガス室に送られている。

 大木トオル氏は、可能なかぎり、このような殺される運命に陥った犬たちをもらい受け、今それをセラピードッグとして訓練する活動を進めている。
 それが犬の命をも救い、かつ介護を必要としている高齢者たちの環境改善にも寄与するという大木氏の信念はゆるぎない。

 このような活動に邁進する大木氏の報告に対し、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こり、講演会が大きく盛り上がったところで、大木氏はトレードマークとなっている白いハットを頭に載せた。

 「最後に、熱心に講演を聴講してくださった方々に、プレゼントをしたい」
 ということで、ブルースシンガーに立ち返り、生前親交のあったR&Bシンガーのベン・E・キングのヒット曲と知られる「スタンド・バイ・ミー」を熱唱。
 聴講者たちのリズミカルな手拍子も加わり、ソウルフルな雰囲気が盛り上がったところで、閉会となった。
 
▼ 「スタンド・バイ・ミー」を熱唱する大木トオル氏

一般財団法人 国際セラピードッグ協会HP

http://therapydog-a.org/ 
 
▼ 大木トオル「ダンス天国」(from You Tube)
 
   
 
関連記事 「大木トオル氏ブルースを語る」
  

※ このニュースに関しては、カスタムプロホワイトの池田さんも、ご自分のブログでレポートされています。
 ↓
「ミスターイエローブルース」大木トオルさんの「セラピードッグのお話と『スタンド・バイ・ミー』」
 
  

カテゴリー: news, コラム&エッセイ   パーマリンク

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