コミュニケーションロボット市場の可能性

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 この 1月11日から、ソニーのロボット犬「アイボ」が発売となる。
 昔は、こういうものにまったく興味がなかった。
 しかし、今は多少だが、食指が動いている。

 というのは、昨年の夏に、10年飼っていた愛犬に死なれてしまい、ペットを亡くすという辛さを味わったからだ。

 「ペットロスにはペットを」
 という言葉があるが、自分の年齢を考えると、この先、生きている犬をもう一度飼っても、こちらの体がヨボヨボになったときに最後まで世話する責任を持てるかどうか、自信がない。
 また、生物としての犬はやがて亡くなるのだから、別れの辛さを味わいたくない。

 そんなことを考えると、ロボット犬というのは、荒唐無稽な選択肢ではなくなってくる。
 実際に、そう思うシニアも多くいて、ペットを亡くした老人たちがアイボに抱く関心は非常に高いという。

 アイボ以外にも、いま人間とコンタクトを取るさまざまな「コミュニケーション・ロボット」が開発されている。

 この前、みずほ銀行に行ったら、ペッパー君がいた。
 話しかけてみると、
 「おみくじを引いてみますか?」
 と尋ねてくる。

 ペッパー君の胸のあたりにディスプレーがあり、そこに三つのおみくじの絵が提示された。
 そのうちの一つを選んで画面を押すと、「小吉」と出た。

 すると、ペッパー君。 
 「まぁまぁのおみくじが出ましたね。おめでとうございます。お気持ちはいかがですか? 余裕のある表情に見えますよ」
 としゃべってきた。

 こういうものの発展形ができれば、やがて銀行の窓口業務などはペッパー君で十分ということになりそうだ。

 やがて、融資の相談なども、ペッパーが相手となる。

 「お客様が出された事業計画では、残念ながら融資できません」

 あの無表情のペッパーにそういわれると、融資の相談にいった人間はどんな気持ちになるのだろう。
 怒る気にもなれず、シュンとして席を立つことになるのだろうか。

 アイボやペッパー君のようなコミュニケーションロボットの市場は、2014年には8.5億円程度だったが、2020年ぐらいになると、その10倍の87億円ぐらいの市場規模になるらしい。

 なにしろ、「AI +ロボット」産業の育成は安倍内閣においても重点的推進課題の一つ。今後はさまざまな分野に広がっていくことは必至だ。

 現在、自動車のテレビCMの目玉となっているAI 搭載のさまざまな安全技術はいうに及ばず、当然その先には、自動運転技術が控えている。

 先ほどのペッパー君ではないが、銀行業務もその多くがAI に切り替わるとか。
 すでに、みずほ銀行は、業務をAI に代行させることによって、2026年に19,000人の人員削減を断行するという。

 
 最近は、「AI が発展することによって、人間が関わる仕事が減っていく」という議論が活発になってきているが、一説によると、確かに現在ヒトが携わっている仕事の80%は、将来AI に切り替わっていくという見方もあるようだ。
 
 たとえば、企業の総合事務員、銀行などの窓口業務員、自動車運転従事者、各種サービス業の店長、公認会計士、税理士。

 意外なことに、頭脳労働系の仕事が多い。
 頭脳労働といっても、あまりクリエイティビティが必要とされないもの。
 すなわち、膨大なデータを暗記して整理するような作業は、AI が最も得意とするところなので、そういう仕事をする人間は必要とされなくなる。

 逆に、特殊な技量を要求される肉体労働は、簡単にはAI に置き換えられないといわれている。
 なぜかというと、進化が著しいとされるAI でも、実作業が伴う部分はロボットに頼らざるを得ず、現在のところ、そのAI とロボットの連動性が不充分だからだそうだ。
 
 たとえばホテル業務などでは、部屋の床掃除などはロボットが代行できても、ベッドメイキングなどは人間の目と手に頼るしかないらしい。
 ベッドのシワをビシッと修正し、布の折り目をきれいにそろえるなどの作業は、ロボットよりも、人間の方がはるかに確実にできて、効率もよい。

 
 以上の話は、BS JAPANの『ニュースの疑問』という番組(1月 6日)で取り上げられていた話だが、同番組では、今後のAI 産業をリードしていくのは、アメリカのシリコンバレーではなく、中国だろうと推測していた。

 AI の開発にはビッグデータが必要となる。
 そのデータ取りで、世界トップの13億という人口を抱えている中国の優位性は揺るがない。

 さらに、中国の国民は、欧米諸国のようにプライバシーに関してそれほど神経質になっていない。
 彼らは、政府の強制力に慣らされているので、政府が要求すれば個人情報でもなんでも簡単に開示してしまう。

 そういう好条件を活かして、いま中国政府は、AI の分野においてもアメリカを超えて、「世界一のAI 国家」を目指しているという。
  
 
 日本のAI 産業はどうなるのか?
 専門家によると、日本のAI 技術は世界的なレベルでも決して遅れてはいないが、「AI を使えばどれだけ儲かるのか?」というビジネスモデルの構築が遅れているという。
 
 しかし、日本が直面している急激な人口減少に対応するには、「AI+ロボット」しかないとするならば、そのビジネスモデルを創造する日本人のモチベーションはけっして低くないはず。
 そこに力を注いでいけば、日本のAI 産業は世界に先駆けて、ビジネスモデルのアイデア大国となる可能性もあるという話だった。
 
 

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