バブル復活でダンスブーム勢いを増す

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - バブル復活でダンスブーム勢いを増す
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed

 
 アメリカの好景気に支えられ、日本も空前の好景気に沸き始めている。
 2018年明けの日経平均株価は、昨年の年末に比べて、741円上昇し、26年ぶりに 2万3,500円台を回復したとか。

 現在のアメリカの好景気は、トランプ大統領が政権公約に掲げていた大型税制改革に対して、アメリカ企業が好印象を抱いたことによる。

 それがなぜ日本の景気も浮上させたかというと、トヨタに代表されるような日本の大手企業は、現在アメリカに積極的に生産拠点を設け、現地スタッフなどを雇用しながら、米国の経済振興に大きく貢献しているからだ。
 つまり、アメリカ市場が活況を呈すれば、それがそのまま日本のグローバル企業の収益をも増すことになる。

 このような好景気に支えられ、最近巷(ちまた)では、「バブル復活」のムードが高まってきた。
 1990年代に入り、「バブル崩壊」を経験して意気消沈して日本人が、ようやく「失われた20年」の傷から立ち直り、もう一度華やかな時代に戻って、元気を取り戻そうとしているのかもしれない。

 そのためか、“バブル乗り” の芸人たちに話題が集まる傾向が出てきた。
 女芸人の平野ノラは、すでに2~3年前から1980年代のバブル時代を再現したネタで人気を集めていたが、昨年末には、荻野目洋子がバブル時代(1985年)に歌った「ダンシング・ヒーロー」がリバイバルヒット。第59回日本レコード大賞の特別賞を受賞した。

 この荻野目洋子の “バブルソング” や平野ノラの “バブル芸” とセットになって話題を呼んだのが、「高校ダンス部選手権」で準優勝を遂げた大阪府立登美丘(とみおか)高校女子生徒たちのバブリー・ダンス。

 ワンレンの髪型に肩パッド入りのスーツ。バブル時代に、「ジュリアナ東京」で踊りを披露したバブル女子さながらの衣装で脚光を浴び、大晦日の紅白歌合戦では、郷ひろみのバックダンサーを務めて反響を呼んだ。

 そういう光景を見て、実は、私は「あ~あぁ …」とため息をついている。
 楽しくないのだ。
 私は個人的に、バブルの時代にまったくいい印象を持っていない。

 日本の企業が強さを取り戻し、日本全体が好景気に沸くことは良いことであるが、それを80年代のバブル現象と同じように語ってしまうと、何か間違ってしまうのではないか?

 けっきょく、あのバブル期に、日本人はそこで集めたおカネをどう使ったのか?

 日本全国のカネ余り現象を持て余した政府(竹下政権)は、1988年から1989年にかけて、「ふるさと創生事業」という名目で1億円ずつ各自治体に支給した。

 しかし、いきなりポンと1億円を手渡されても、自治体の方だってその使い道に困ってしまい、けっきょく金塊にして、「純金こけし」を作ったり、「純金カツオ」を作ったり、あるいは「延べ棒」のまま地元資料館に展示した。

 純金の展示物までいかなくても、畑のなかに壮大なオペラハウスなどを建設した自治体もあった。
 しかし、肝心のオペラをどう興行すればいいのかもわからず、ほとんど施設を使わないまま、宝の持ち腐れにした。

 もし、あのときに、無駄に使ってしまった資金を、すこしでもエコ産業に投資したり、あるいは少子高齢化社会への対応策を検討したりしていれば、日本はずいぶん変わったのではなかろうか。
 その後にやってきた「失われた20年」などという時代にも、ただ手をこまねいているだけでなく、未来への投資ができたはずなのだ。

 けっきょく浮かれた風潮に流されていると、誰もが頭を使わなくなるということが、あの時代に実証された。

 当時の若者たちもいい気なもんだった。
 女子学生たちは、放課後に校門の前にスポーツカーや外車を並べて自分を待ってくれる男子の数を競ったし、男は男で、お目当ての女の子とクリスマスセックスを楽しむために、1年も前から都心のホテルを予約し、当日はフレンチのコースをご馳走しながら、ティファニーの装飾品などをプレゼントして女の子の関心を買うことに命を張った。

 軽薄な時代だったと今でも思う。
 あの時代、ディスコに行っても、もう楽しくなかった。
 自分が好きだった黒人系ソウルミュージックやR&Bはもうかからなくなっていて、ヨーロッパ系の金儲けバンドを中心に作られた “お子様向けダンス音楽” 全盛の時代になっていた。

 「ジンギスカン」とか「ソウルドラキュラ」とか「チャイニーズカンフー」みたい曲では全然踊る気にならなかったし、アースにも、クール&ギャングにも、それほどの興味を感じなかった。

 かろうじて、ヴァン・マッコイとかヒューズ・コーポレーション、カール・ダグラスなどは多少好みの音かな … とは思ったが、レコードを買って聞いても、カーティス・メイフィールドやらマーヴィン・ゲイ、シル・ジョンソンとかアル・グリーンのような感激は受けなった。

 けっきょく、他人の踊りを見ていてもつまらなかったから、以降ディスコにはもう顔を出さなくなった。
 
 だから、「バブル復活によってダンスブームが再燃」などとメディアが謳っても、あの時代に、ディスコがつまらない空間になっていったときの興ざめした気分を思い出すだけで、ちっとも楽しくない。

 つまり、ダンスが嫌いになったのだ。
 「キレッキレのダンス」などという言葉も嫌いだ。

 自分だって、若い頃は新宿の「ジ・アザー」などにも通っていたけれど、自分が顔を出していた時代のものと、その後のいわゆる “ディスコ文化” の時代に生まれたダンスとはまったく違うものだと思っている。

 今の時代のダンスは健康的である。
 一種のスポーツだ。
 その分、洗練されてきたともいえるが、けっきょくは誰に対してもウケるように、そうとう大衆化されている。

 だけど、あの時代のダンスというのは、まさに『ウエストサイド・ストーリー』のなかでジェット団とシャーク団の間で行われた不良の縄張り争いのようなダンスだった。
 どっちのダンスが凄みがあるかということで、東京モンと横浜モンの間で殺気立ったステップの応酬があった。

 で、当然ハマのステップの方がカッコよかったので、ハマ文化に染まったつっぱりの女の子に、密かにツーステップのマンボの足の出方などを教わったりした。

 「ジンギスカン」や「チャイニーズカンフー」や、「ソウル・ドラキュラ」とか「フライ・ロビン・フライ」の世界には、そういうスリルがない。
 ただ、楽しいだけ。
 底が浅い。

 「それで何か悪いの?」
 と反論する人もいるだろうけれど、もう一度言っておく。
 底が浅い。
 
 ま、今が「ダンスの時代」であることだけは確かだ。
 バブル期に青春を過ごした40代~50代が、今の消費文化のトレンドを握っているのだから仕方がない。

 ちなみに、私が最後に買ったディスコ系のレコードは、ビージーズの『サタディ・ナイト・フィーバー』だった。映画も観に行った。
 でも、それを最後に、ディスコサウンドからは卒業した。
 
 

カテゴリー: コラム&エッセイ   パーマリンク

バブル復活でダンスブーム勢いを増す への2件のコメント

  1. タヌ山 より:

    はじめまして^^
    いつも更新楽しみにしています。

    町田さんはベッド・インという地下アイドルをご存じですか?まさにバブルの権化といった感じの二人組なんですが、平野ノラとはまた違った魅力があっておすすめです。
    YouTubeでも動画が上がってますので、ぜひ`^ω^

    ※ちなみに僕は1984生まれなので、バブルはこういうオマージュでしか知りません汗

    • 町田 より:

      >タヌ山さん、ようこそ
      こちらこそ、はじめまして。

      「ベッドイン」の画像、見ました !
      確かに、ドキドキッとする二人組ですね(笑)
      このペアは、そうとう前から話題になっていましたか?
      一度テレビで紹介されたのを見た記憶があります。
      なかなか楽しめました。

      1984年生まれというと、いま34歳ぐらいということでしょうか。
      この世代の人たちはとても可能性がありますね。
      話す機会がありましたが、みないい発想をしています。
      タヌ山さんの感性にも期待しています。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">