ハイマーML‐T・4WDインプレッション

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 ハイマーML-T570・4WD(輸入元RVランド)という車のインプレッションを語り合うという企画がキャンピングカーの総合WEBサイト「キャンピングカースタイル」で行われ、3月初旬、キャンピングカーライターの岩田一成氏と対談する機会を得た。夜はハイマーの車内で酒などを酌み交わしながら、岩田氏からいろいろなことを学ばせていただいた。

 私は “キャンピングカーライター”などという肩書を持ちながら、自分で買った2台のキャンピングカー以外、それほど多くの車を試乗してきたわけではない。どちらかというと、色々な資料を読み、開発担当者の話を聞いて取材対象の車を分析するという “耳学” 頼りの頭脳作業が多い。

 それに対し、『Camp Car MAGAZINE』をはじめとする数々のキャンピングカー誌、アウトドア誌にキャンピングカーの試乗記を載せ、若い頃からアメ車やカスタムカーに親しんで、ジャンルの異なる車同士のコンセプトも比較できる岩田さんはさすがである。
 重量バランスや足回りのセッティングへの言及は、実際にいくつもの車を運転してきて、“身体のセンサー” を鍛えてきた人でなければ語り切れない話だと思った。
 対談中、記事掲載からは省かれたが、若い頃の岩田さんの車遍歴なども非常に興味深く拝聴した。

▼ 左が岩田氏

 このハイマーの対談記事も、とても上手に構成されていた。
 インタビューや対談を書き起こす仕事は自分の得意分野のつもりでいたが、今回のように、自分の談話が別のライターさんからしっかりした文章としてまとめられているのを見ると、いろいろと参考になることも発見できて、ありがたかった。
 正直にいうが、「言葉」として発していないにもかかわらず、心の中まで察して、あたかもしゃべっているように構成してくれたことに関しては、感謝した気持でいっぱいである。

対談記事はこちら(↓)
https://camping-cars.jp/camping-car-news/3763.html

 この車両に関する詳しいインプレッションは、上記のサイトに飛んでいただければ楽しめると思うが、ここでは、以下この車両を貸し出してくれたRVランドの阿部和英社長の談話を少しだけ紹介して終わらせたい。

…………………………………………………………………………
阿部社長が語る “ハイマー4WD” の魅力

車両を貸し出してもらう前のRVランド展示場にて

▼ RVランド 阿部和英 社長

【町田】 「ハイマーML‐T570・4WD」という車のヨーロッパにおける位置づけなど教えてください。

【阿部】 ご存知のように、現在ヨーロッパのキャンピングカーシャシーの7割近くはフィアット・デュカトに占められているわけですね。もちろんハイマーの扱う車両にもフィアットシャシーがずいぶん含まれています。
 しかし、フィアットの場合、使える場所がベンツほどオールラウンドじゃないんですよ。少なくとも雪道や泥濘地の走行はそれほど得意ではない。特に滑りやすい坂道を登るのは苦手な方なんです。
 その理由は、フィアットはFFであるがゆえに、後軸に荷重がかかりすぎると、駆動輪である前輪が浮いてしまい、トラクションが得られにくくなってしまうからですね。特にキャンピングカーは架装重量がありますから、リヤヘビーになればどんどんフロントの駆動輪が頼りなくなっていく。全長が長くなれば長くなるほど、その傾向は強くなります。

▼ フィアットシャシーを採用したハイマーのバンコン

【町田】 でも、アルプス以北のヨーロッパの国々は日本より雪が多いというのに、なぜそれほどフィアットの方がウケるんですかね?
【阿部】 ヨーロッパのユーザーたちは、フィアットが雪道で不利だという話を出すと、必ず「日本人は運転が下手なんだ」と反論してきます(笑)。要は、「前輪が滑り始めたら、車の向きを変えて、バックで登ればいいんだ」と。

【町田】 ジョークですか?(笑)
【阿部】 いや、半分くらいは本気なんじゃないですか(笑)。でも、実際にヨーロッパ人はFF車でもうまく乗りこなしますよ。
 ただ、ウィンタースポーツなどをしょっちゅうやるようなユーザーは、やっぱりFF車を敬遠しますね。そういう人たちに、このハイマーML‐T・4WDがウケているわけです。実際にノーマル車のベンツにおいても、需要の4割は4WDだといいます。

【町田】 ならば、どうしてベンツシャシーは、フィアットに比べてヨーロッパのキャンピングカーでは伸びないんでしょう?

【阿部】 最大の理由は価格ですね。ベンツとフィアットを比べると、エンジンスペックではほぼ同じ馬力を発生するにもかかわらず、フィアットの方が100万円以上安いわけです。
 そうなると架装メーカーの方も、その差額分だけ装備類や内装設計にコストをかけることもできるし、車両価格を安くすることもできる。そういった理由でフィアットが伸びたわけですね。 
 もうひとつ理由があるとしたら、それはフィアットの方が架装の自由度が高いことでしょう。
 フィアットの場合はキャブ部とフロントタイヤ以降はシャシーの長さが自由に選べるようになっています。もちろんフィアットのオリジナルシャシーがそういう設定になっているわけですが、より走行安定性が高いアルコシャシーをチョイスした場合も、架装メーカーの方で長さのオーダーができるんです。

【町田】 しかし、それは架装メーカーさんの話であって、ユーザーサイドに立てば、雪道にも強いメルセデスの方が安心だという見方もできますよね。
【阿部】 そうなんですが、ベンツのようなFRは、やはり架装メーカー泣かせの部分があるんですよ。
 というのは、車体下にドライブシャフトが通っているので、水タンクなどの装備が積みづらくなるんですね。その部分に関していえば、FFキャンピングカーの方が架装効率はよくなります。

【町田】 日本で使う場合、メルセデスのシャシーとフィアットのシャシーでは、どちらが好まれると思いますか?
【阿部】 それは好き好きではないでしょうかね(笑)。ATミッションの場合、フィアットには独特のクセがちょっとあって、最初のうちはそこに違和感を感じるユーザーさんはいらっしゃいますね。慣れの範囲の問題でしかないのですけれど … 。
 その点、ベンツの方は、どんな車から乗り換えられても、違和感なくその操作感覚にすぐ慣れます。
 それと、ベース車自体のステータス性でいえば、現在ではベンツの方が上じゃないですか。

【町田】 両者を比べた場合、メンテナンス性はどうでしょう?

【阿部】 昔のフィアットキャンパーならば、トラブルが出たときのメンテナンス体制が問題になったこともありましたけれど、これからはフィアット車でもまったく問題なくメンテが受けられるようなサービス拠点が増えていくと思います。
 ただ、現状にかぎっていえば、まだベンツシャシーの方が安心できますね。
 というのは、日本ではベンツのテスターを持っている工場が非常に多いからです。今のベンツだと、テスターにつなぐと、トラブルが生じているパーツが部品番号で明示されるようになっているんですよ。
 だからその部品番号に従って、日本でベンツを扱っている会社に供給をお願いすれば、すぐに部品が入手できます。

【町田】 その場合、キャンピングカーベース車も一般乗用車と同じに考えていいのですか?
【阿部】 このML-Tで使われているようなトランスポーターでも、エンジンやミッションを構成するパーツは基本的に乗用車と共通なので、ベンツの乗用車をメンテできる町工場ならほとんど対応してもらえます。もちろん旅先でも、我々にご相談いただければ、トラブルに対しての具体的な対応をご説明いたします。

【町田】 それは心強いお話ですね。… 最後に、この車を導入されたときの日本の市場の反応はどうでしたか?
【阿部】 2月の「ジャパンキャンピングカーショー」に出展したあと、ハイマー系で売れたのは圧倒的にベンツシャシーでしたね。8割以上がベンツ車で、残りの2割がフィアットとトレーラーでした。

【町田】 このML‐T570・4WDの場合、顧客としてはどういうタイプの方々が多かったのですか?
【阿部】 年齢的には、非常に多岐にわたっていました。20代を除けば、30代から60代まで満遍なくいらっしゃいました。
 なかでも、30代~40代の方になると、それこそ、時代の先端をいく仕事をされている方々が多いという印象でした。特にスキーのようなウィンタースポーツが趣味というほどのことはないのかもしれませんが、「ベンツの4WDモーターホーム」という希少価値を評価されたようです。
【町田】 なるほど。これからは、この車の姿を都心でみかける機会も増えるかもしれませんね。
 
 
 ※ 今回ともにハイマーの取材に携わってくださった岩田一成さんの著作はこちら
 『人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門』
 

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