ハイマーとメルセデス

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メルセデスのハイパフォーマンスと安全性が
そのままハイマーに移植される

 

▲ ハイマーS830(2008年) 

 昨年(2017年)、ドイツの最大手キャンピングカーメーカーである「ハイマー」社が創立60周年を迎えた。
 その前身である「農業用カート」を製作していた時代から数えると、94年という社歴を誇ることになる。
 
▼ ハイマー本社

 ちなみに、アメリカの「エアストリーム」社の場合は今年で86年目。「ウィネベーゴ」社の場合は今年で79年目。

 日本では、他社に先駆けて定番(量産)モデルの「ロデオRV」をつくったヨコハマモーターセールスですら、その1号車からようやく35年目を迎える程度。
 こうしてみると、キャンピングカー先進国の欧米は、やはり日本の倍以上の歴史を持っていることが分かる。

 ハイマーの話に戻る。
 この会社が頭角を現してきたのは、キャンピングトレーラーの開発によってである。
 創業者アルフォンソ・ハイマーの息子であるアーウィン・ハイマーが、1956年にハイマーの新しいプロジェクトとして、トレーラー事業に手を染めたことが、現在の同社の礎(いしずえ)となった。


 
 トレーラーの名前は「トロール」。
 後に、「ピュック」、「ツーリング」、「ノヴァ」というハイマーキャラバンシリーズの先駆けとなる車であった。
 同車が世に出たのが1957年。
 「ハイマー60周年」というメモリアルイヤーは、この1957年を起点として計算されたものだ。

 トレーラー開発に続いて、自走式モーターホームの1号車が製作されたのは1961年。
 「Cravano」という車だった。

 「Cravano」の発音が分からない。
 ヨーロッパで広く「トレーラー」を意味する言葉として使われる「キャラバン」の派生語だと思うのだが、ドイツ語でどう発音するのだろうか。
 「キャラバノ」?
 う~ん ……
 とにかく、この「Cravano」は、今でいう “ワンオフ” に近い一品生産モノだったようだ。

 量産化が始まるのは、1970年代に入ってからである。
 1971年になって、ハイマーはメルセデスからシャシー供給を受けることになる。
 それ以降、ボディ製作にもメルセデスの技術陣が加わるようになり、ハイマー車はみるみるうちに “車両的完成度” を上げていく。

▼ 1971年に製作されたモーターホーム。
グリルにベンツマークがくっきり !

 この70年代というのは、ハイマーにシャシーを供給したメルセデス自体が、世界の自動車テクノロジーを書き換えようとした時代だった。

 50年代から60年代というのは、アメ車の黄金時代だった。
 エアコン、パワステ、パワーウィンドウといったドライバーの負担を軽減するの新機構を次々と実用化していったアメリカ車は、それらの快適装備を満載したまま、大排気量エンジンにものをいわせて、強力無比な動力性能を手に入れていた。

 メルセデスは、そのアメリカ車から生産技術と快適装備を学び、さらにアメ車にはなかった新しい価値観を打ち出す。

 それが、「高速域での安定性」である。
 スピード無制限を謳うアウトバーンを “テストコース” として使い、メルセデスは、信じられないほどのスピードを維持したまま、車体が路面をがっしりとトレースする抜群の安定性を獲得した。
 その段階で、“ドイツ的な価値観” が自動車文化の中軸を占めるようになった。

 このようなメルセデスの自動車技術は、当然シャシー供給を受けるハイマーにも生かされることになる。
 メルセデスの技術陣とともにモーターホーム開発に従事したハイマーの技術者たちにとっても、「ハイマー車」はキャンピングカーである以前に、メルセデス車と同等の走行性能と安全性能を維持する車でなければならなかった。

 すなわち、ハイマーのシャシー性能の向上を図るために、メルセデスの風洞実験設備が使われ、メルセデスのテストコースが用意され、そこで得られたデータ群をメルセデスの技術陣が解析することによって、「ハイマーモーターホーム」ができあがるという仕組みが完成した。

 「メルセデス並みの安全性」
 ハイマー車には、それを示すものが、車体の一部に堂々と刻印されている。
 クラスA型モーターホームにフロントに刻まれた「スリーポインテッドスター(ベンツマーク)」である。

 このベンツマークを付けているクラスA車両は、メルセデスの乗用車と同じ条件でクラッシュテストを行った車両と見なされ、メルセデス社が保証する安全性をクリアしているという証(あかし)となる。
 そういうキャンピングカーは、ドイツ国内においてもハイマー以外にはない。

▼ ハイマーモービル670(1994年モデル)

 メルセデスとハイマーの関係は、自動車メーカーとコーチビルダーのもっとも理想的な関係を表している。
 逆にいえば、メーカーとビルダーのこういう二人三脚がしっかり機能しないかぎり、理想的なキャンピングカーというものは生まれてこないのかもしれない。

 「ハイマー創立60周年」。
 その前身の会社から起算して、社歴としては94年。
 やはり、それだけの実績を積み重ねてきたビルダーだからこそ、メーカーに認められたということなのだろう。
 
 
※ ハイマーの歴史に関する詳しい記事は下記のアドレスでどうぞ。
https://camping-cars.jp/camping-car-news/4067.html
     
※ また、ハイマーML-T570(4WD)の試乗インプレッションは下記をどうぞ。
https://camping-cars.jp/camping-car-news/3763.html 
 
 

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