奇皇后とエカテリーナ

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 韓国の歴史ドラマ『奇皇后』(BS日テレ)の再放送が、この2019年の1月で終わってしまった。
 2013年に制作されたドラマで、韓国では最高視聴率29.2%を記録したという超人気番組だった。


 
 これをハードディスクに録画して、時間ができたときに面白そうなものだけを選んで漫然と観ていたのだが、そのうち引き込まれるようになり、最終回前の3~4話からはほんとうに熱中した。

 内容は、韓国歴史ドラマによくある宮廷内の派閥争いをテーマにした “陰謀劇” 。
 邪魔者を取り除く手段の大半は毒殺で、どちらかというと陰惨な展開だが、それでも脚本・演出がしっかりしているうえに、役者たちがうまかったので、けっこう楽しめた。

 特に、主役の奇皇后を演じた俳優ハ・ジウォンがよかった。
 彼女は、昔、男と女が入れ替わってしまうラブ・コメティーの『シークレット・ガーデン』に出演していたが、そのときはそんなにいいとは思わなかった。
 しかし、『奇皇后』の皇后役を見ているうちに、だんだん惚れてきた。
 
 「権力を持った女の傲慢な美しさと哀愁」 
 基本的に、私はそういうものを匂わせるヒロインが好きなのだ。

 奇皇后というのは、14世紀に朝鮮の高麗から元(中国のモンゴル王朝)に “献上品” として送られてきた女性だったので、最初は周囲から屈辱的な扱いを受ける。

 しかし、元の皇帝からの寵愛を受けるようになり、最後は正皇后に昇格。
 それと同時に、皇帝と対立する宮廷内の陰謀集団と戦い、皇帝の身を守るようになる。

 そのときの敵対集団に向けた威圧的な眼差し、毅然とした言動はなかなかの迫力。
 敵に対しては、そういう一面を見せながら、守るべき男に対しては、献身的な優しさを貫く。 
 ま、いわゆるツンデレ。


▲ こういう意地悪系の目が好きだ

 ハ・ジウォンは、そういう冷徹さと優しさのダイナミックな振幅を上手に表現できる女優であった。
  
 
 
 もうひとつ、『奇皇后』と同じくらい楽しんだ海外ドラマがあった。
 2014年にロシア国営テレビで放送されていた『エカテリーナ』(BS日テレ)である。
 
 エカテリーナというのは、18世紀のロシアに君臨した女帝の名で、1922年にソビエト連邦が誕生するまで、ロシア帝国を統治していたロマノフ王朝最大の女傑である。


 
 演じるのは、マリーナ・アレクサンドロワ。
 NHKの大型ドラマ『坂の上の雲』(2009年~2011年)で、ロシアに留学した日本海軍の広瀬武夫中佐の恋人役として起用されたこともある女優だ。
 
 このマリーナ・アレクサンドロワの演技もまた、実に素晴らしかった。
 『奇皇后』のハ・ジウォン同様、私の好きな「権力を持った女の傲慢な美しさと哀愁」が強調されていて、『奇皇后』の “ロシア版” ともいえた。

 すなわち、
 他人に対する冷酷な眼差し。
 敵対者や部下に対する容赦ない言動。 
 高飛車で、傲慢で、わがままな振舞い。


▲ こういう意地悪系の目が好きだ
 
 そういう女が自分一人になったときに見せる、権力者としての孤独と不安。 
 そして、愛する男への懊悩。

 見逃してならないのは、マリーナ・アレクサンドロワが漂わす「神秘性」である。

 「神秘性」というのは、カリスマになるためには絶対必要なアクセサリーだ。
 特に、エカテリーナの場合、男の将軍たちにカリスマ性を発揮するには、どうしても「神秘」のベールで内心を隠す必要があっただろう。

 権力者としての孤独と不安を表に出した瞬間に、男たちは「弱い女」を感じて襲いかかってくる。
 場合によっては、肉体を奪いに来るだろう。
 それを避けるためにも、エカテリーナは男たちに対し、冷酷で傲慢でなければならなかったのだ。
 
 「冷酷さと傲慢さ」の奥に隠された女としての「弱さと恥じらい」。
 そういう対比は、ある種の男たちにとっては、ものすごくエロティックなものである。

 このドラマも、現在「シーズン2」が終了したところで、いったん中断されている。
 「シーズン3」がロシアで放送されるのは、2019年の 9月以降らしい。
 日本公開は、その年明けか。 
 待ち遠しい。
 
 

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